概要
『どこまでを人殺しというのかな』―――僕は、父の遺した言葉の意味を知る
『どこまでを人殺しというのかな。』
―――僕の幼い頃に父が呟いた、謎の言葉。
父の死後、出会ったばかりの少女の口から、全く同じ台詞を聞いた。
10年ぶりに訪れた故郷。
再会した親友と、かつての恋人。
昔の記憶と、昔馴染んだ人々の隙間から覗く、自殺した父の影。
その影の向こうに隠れていた圧倒的な真実に、僕はただ、打ちのめされるほかなかった。
―――僕の幼い頃に父が呟いた、謎の言葉。
父の死後、出会ったばかりの少女の口から、全く同じ台詞を聞いた。
10年ぶりに訪れた故郷。
再会した親友と、かつての恋人。
昔の記憶と、昔馴染んだ人々の隙間から覗く、自殺した父の影。
その影の向こうに隠れていた圧倒的な真実に、僕はただ、打ちのめされるほかなかった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!どこまでを『罪』と呼ぶべきか☆
家族の愛は、時として理不尽であり我儘なもの。
そして、人は誰しもが何かしらの理由を探し出し、錦の御旗を立てるかのように己の行動を肯定するもの。その人間臭さが人としての本能ではないかとも考える。
作中の主人公は、家族の諸事情も知らないまま実家を抜け出した。しかし、いつかは知らねばならない時が訪れるもの。その衝撃があまりにも大き過ぎて、受け入れるのには時間のかかるものだったが、知らされた家族の絆に心を動かし、新しい人生を自分で決めることができた。
そこまでに至る重苦しい展開にはリアリティが溢れ、実体験が無くても読んでいて不思議と感情移入ができる。これも、作者さまの丁寧で重厚な筆使いによるものと…続きを読む