概要
これは12年間の結婚生活を送った馬鹿な私の切なくて滑稽な実話です。
登場する個人名、団体名は全て架空です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!穏やかな生活に行きつくまでの道のりは、険しく苦しい
12年間、忍耐と我慢の生活が続くとわかって飛び込む人はいない。
スタートはいつだってキラキラと甘い砂糖細工。
しかし月日の流れで糖衣が剝げた時、苦い現実が現れた時、周囲に手を差し伸べてくれる人がいるかどうかは「運」だけではないと思う。
その苦しい年数、前を向いて周囲に誠実に生きていたからこそ彼女の周りに優しい人々がいてくれたのだと思う。
お話しのメインは彼女のツラかった結婚生活なのだが、私はたびたび登場する周囲の人々に目を向けたい。
そのタイミングで優しく接してくれるのは、彼女自身が何かの折に優しくしていたから。
そのタイミングで助け舟を出してくれるのは、彼女が助けたいと思う生き方をして…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どんな風の中も生き抜く葦のように
まるで葦のような強さだ。
と、これはこの作品を読む中で感じたことだ。
筆者の12年にわたる結婚生活、それはまさに小説を超えた数奇な事件の連続であり、心身が削られるような過酷さである。
これでもかと筆者に降りかかってくる苦労を思うと、途中で心が折れてしまっても無理はないだろうと思えてくる。
しかしそうはならない。どんな裏切りにあっても、哀しみの渦中にあっても、その時にでき得るすべての努力で一日一日を生き続ける。
それはどんなに強い風が吹いても、ぐっと頭を下げて堪える葦のように見える。
つらい時期を乗り越え、最後にすっと背筋を伸ばした葦の姿には、読んでいる方も胸が熱くなる。
淡々と綴りながら、本…続きを読む