第26話 子供達、そして私の為に
私は拓哉と結婚してからあまりにも色々な苦難が有り過ぎて泣かない夜はないほど何度も何度も泣いてきた。
好きで一緒になった拓哉だから信じてついてきた。
それなのに信じてついてきた拓哉に何度裏切られてきただろう。
泣いて泣いて涙が枯れた頃私は急に馬鹿馬鹿しくなってきた。
なんでこんなに泣いているんだろう。もったいないと思った。
私の人生こんなに泣いてばかりでもったいないと。
それに私には可愛い翔と蓮と桃がいるじゃないかと。
泣いてばかりいたら子供達に申し訳ない。
泣き顔は見せてこなかったつもりだけど私の心の不安は感じているに違いない。
何の罪もない子供達まで巻き添えにしてはいけないと。
私は拓哉が刑に服している頃に誓っていたのだ。
拓哉がどうであれ私は私の人生を笑って生きていこうと。
何故か離婚という選択肢はなかった。
幸い私は旦那には恵まれなかったがそれ以外の人達には恵まれていた。
近所には仲良しのママ友が何人かいて一緒に銭太鼓のサークルに参加していた。
又、近所に家族ぐるみでお付き合いしている方もいて拓哉はいなかったがいつも食事会に誘ってもらっていた。
近所のおばちゃん達もみんないい人で私の子供達の事も気にかけてくれていた。
子供会でも他のお父さん達が子供達と一緒に遊んでくれていた。
地域自体がアットホームな環境だったのだ。
煙たいと思っている義父だけど子供達には時には厳しく時には優しく接していてくれていた。
職場の人達もみんないい人だ。
私はそういう面ではとても恵まれていた。
3人の子供の母親になって強くもなっていた。
だから何が起こってもめげない程、逞しくなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます