第28話 決意

 私は義父に事の次第を話して子供達と家を出たいと申し出た。それを聞いて驚いた義父は義叔母夫婦を呼び寄せた。

義叔母夫婦は直ぐに駆け付けてくれて相談に乗ってくれた。

義叔母夫婦はいつも私と子供達の事を気にかけてくれていて旅行などにも連れて行ってくれていた。

拓哉に対しても散々助言をしてくれていた。

今回の事も拓哉と話をしてみると言って下さった。

何度か拓哉と話し合う場を作って約束していたようだが約束の日に拓哉が現れる事はなかった。


 義父ももう息子の事は勘当するとも言っていた。

そして義父も義叔母夫婦も「家を出るのは非常に残念だがこれ以上引き留める事は出来ない。これからは志乃の幸せを考えて子供達と頑張ってくれ」と言ってくれた。

義父は子供達をとても可愛がってくれていたので身を引き裂かれる思いだったろうがその時の私は義父の気持ちまで考える余裕はなかった。


 事の発端が5月の事だったので私は子供達に家を出る事を話し夏休みが終わったら転校する事を伝えた。

翔は小学6年生、蓮は小学4年生、桃は小学2年生になっていた。

後に子供達は転校したのが人生で一番嫌だったと言っていた。

しかし、離婚した以上、義父と暮らす理由はないし、もう拓哉の家では暮らしたくなかった。

誰も知らない所へ行きたかった。

子供達にとっては仲の良い友達もいて周りの環境にも恵まれていたので親のせいで可哀想な事をしたと今でも私は思っている。

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