どんな風の中も生き抜く葦のように

まるで葦のような強さだ。
と、これはこの作品を読む中で感じたことだ。
筆者の12年にわたる結婚生活、それはまさに小説を超えた数奇な事件の連続であり、心身が削られるような過酷さである。
これでもかと筆者に降りかかってくる苦労を思うと、途中で心が折れてしまっても無理はないだろうと思えてくる。
しかしそうはならない。どんな裏切りにあっても、哀しみの渦中にあっても、その時にでき得るすべての努力で一日一日を生き続ける。
それはどんなに強い風が吹いても、ぐっと頭を下げて堪える葦のように見える。
つらい時期を乗り越え、最後にすっと背筋を伸ばした葦の姿には、読んでいる方も胸が熱くなる。
淡々と綴りながら、本当に強いとはどういうことかを教えてくれる一作。

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