失意と悲しみと憤りの向こう側には、きっと笑顔が隠れているのかも知れない

どうしてこうなった?と、何度も考えてしまう。会社のお金の横領と浮気。度重なる借金は闇金までも……。飲酒運転から免停。更なる浮気が発覚。

読んでいると息が詰まりそうな展開が次々と舞い起こるのは何かの呪いみたいに思えてきます。どこまでも甲斐性無しの旦那に、腹が立ってしまう。

この作者様に、「よくぞ耐えましたね」とねぎらいの言葉以外にかける言葉が見つからない。「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、まさに彼女の人生がそのもの。実話ならではの奇妙な事が連続で起こり過ぎている。

今でこそ明るい彼女の人柄が、人生に於いて子供達を最優先した事が後に幸せを導いたのかも知れません。後になって語られる壮絶な過去は、時という処方箋とこの作では書かれていない、子供達の笑顔に救われたのかも知れませんね。

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