病弱な少年が、叔父の元で摩訶不思議な拳法を学び、心身共に強くなる物語――。
いや~最初から面白い。人物紹介で笑ったのは初めてです。それぞれが濃いくて際立ったキャラ達で、更にネーミングセンスが抜群です。
読み進めていくと、王道の想像通りの展開ではありますが、ギャグの壺に嵌ると抜け出せなくなってしまいます。作者様の笑いのセンスも中々の腕前。
挫折。修行。友情。チョッピリ甘い恋愛要素?意味不明な妖しい銀河連合とは一体何者なのか?
コミカルなカンフー映画を観ているようでした。
強さには誰もが憧れをもって成長しますが、私達の幼少期にもこのような強さに憧れた頃を思い出しました――。
地獄のような辛い日々を送っていた、ぜんそく持ちでひ弱な少年「ケン」。
でも、彼の心は弱くなかった。強くなりたい、強くありたいといつも願っていた。
小学5年の夏休み。ぜんそく治療のために訪れた伊豆の山奥での出会いが、彼の運命を変える……
叔父を師と仰ぎ、相棒と共に厳しい修行に明け暮れたケンは、見違えるほどの強さと知恵を身につける。おまけに「ヤイト拳」なる謎の拳法まで編み出した!
すごいぞケン! これで2学期からはウキウキハッピーライフ! ウキーッ!!
……かと思いきや、人生そう上手くはいかないみたいで。
個性的な美少女達や猫に翻弄され、ちょっとおバカなライバルと友情を育み、不格好に失敗しながら、ケンは本当の強さと真の賢さを知り成長を遂げる!
まるで漫画を文章で読んでいるみたいな疾走感に貫かれた、面白要素満載の成長物語。どんどん読み進めたくなります!
しかも、ちょくちょく日常生活に役立つ情報も盛り込まれており、かなりのお得感アリ!(コメント欄でも深い話を展開されていて、作者さまの知識の深さ・見識の広さに圧倒されます)
クライマックスの「ヤイト拳」発動シーンでは、師の教えとケンの活躍に胸が熱くなる!! そして、ナイスだ!チューリン!!
マッキーは「ヤングライオン児童文学小説賞」を獲れるのか?! ミーナの恋の行方は?
魅力的な登場人物たちの「スピンオフ作品」を望む声が上がるも納得の、とても楽しい物語。
この夏休み、子供たち(そして、かつて子供だった大人たち)にワクワクしながら読んでもらいたい作品です。すごく面白いよー!!!
病弱で本を読んで過ごした子供時代。
そのせいかちょっと大人じみた言動と嗜好が垣間見える主人公ケン。
小学五年生の夏休みに、山奥で鍼灸院を営む叔父さんの元で過ごすことになる。
体質改善により手に入れた健康体と、共に野山を駆け抜けた初めての親友。
得るものが多かった夏休みが明け、始まった新学期は……
やんちゃだからと言うよりも、巻き込まれ体質のような勢いで、騒がしい日常と非日常を送ることになり、叔父さんが口にしていた信条を基に、様々なシチュエーションに立ち向かう。
クラスメイト、先生、友達……ちょっとハーレム要素もありつつ、グルメの話もありつつ(彼を満足させるのは駄菓子じゃあないんです)、どうにも説明の難しい事件に巻き込まれつつ、体質改善により切り拓かれたケンの能力が炸裂する。
その発動方法は文字通り、身体に火をつけることで……
児童小説でありながら、少年漫画のような軽快さと憧れが凝縮されたような、テンポの良い小学生アクションコメディ!
ほのめかされたシリーズ化も是非期待したい。
この夏、まずはこのヤイト拳の熱さに触れてみてくださいヽ(´エ`)ノ
読み終えて、これは子供だった自分へ送る物語だったんだな。
そんな印象が浮かびました。
子供時代は無限の可能性を秘めているモノ、でも当の子供にはそれは分かりません。
日々忙しいし、勉強も宿題も遊びも家族サービス?もあります。
それに妄想やらなんやらかんやらで頭の中はかなり混乱もしています。
そんな子供時代の自分に向けて、いくつもの楽しい可能性を広げて見せたのがこの物語です。
主人公はかなり虚弱で目立たない少年「ケン」
そんな彼が親戚のオジサンの元でくらし、修行を重ね、さらにヤイト拳なる技を編み出し別人のように生まれ変わります。
ちなみにこの辺の修行シーンがまた楽しい。全編楽しいのですが、この修行シーンは格別です。
もとから語り口の面白さが特徴的な作者ではありますが、さらにコメディー感をまして実に面白い。
この叔父さんが一見怪しそうな感じではあるのですが、ちゃんとした理論と理屈で体の内にある元気を引き出してゆくのです。
そして学校へ戻ったケンは一躍人気者に。
クラスの美少女に好かれ、ライバルとの友情があり、悪漢を倒し、バラ色の時代を謳歌します。
しかしそこには当然落とし穴もあるわけで……
と、まぁとにかくジェットコースターのように楽しいストーリへ展開。
でもそこにはちゃんと一本の芯が通っているのです。
そこがこの物語のいちばんのポイントであり、ぜひ子供にも読んで欲しいと思わせるところでもあります。
いろいろ書きましたが、とにかく面白い物語です。
ぜひ読んでみてください!
ケンはもともと喘息もちの病弱な小学生。ところが、夏休み。鍼灸師である叔父さんのところに厄介になったおり治療を受け……たのではなく、修行と鍛錬に明け暮れたのだ!
肉体改造にともなう精神修養、古来より伝わる秘法を体得したケンは、お灸をすえることにより強大なパワーを発揮するヤイト拳に開眼する!
そして、二学期。すっかり逞しくなったケンにクラスのみんなはびっくり。強くなった上、人間としても成長したケン。でも、修行の道と成長の過程に終わりはないのだ!
と、書くと、なんか堅苦しい話に思えてしまいます。ところがギッチョン。本作はへんな昭和のノリが炸裂する、奇天烈な物語。そもそも物語の形式が、ケンの体験をクラスメートの女の子が小説化したものとなっています。その女の子マッキーも、美少女なのに守護霊さまの力を借りて突飛な行動を連発。
修行を受けたケンもすっかり浮世離れしてしまっているし、親友となるチューリン拳の使い手チューリンも変な奴だし、担任の権田先生もいまのご時世にありえない教師だし、もうひとりのヒロインであるミーナもどこか変!
おかしなキャラクターたちがおかしなノリでおかしなことを連発する、軽快な読み物。でも、キャラクターたちが語るセリフには、むーんと唸ってしまうような深いものがたくさん。
背中に日光受けると、食事しなくていいって、それ本当か? ちょっと信じちゃったけど……。
弱い少年が修行ののち強くなるという王道ストーリーは、初期のジャッキー・チェンの映画を彷彿させます。ギャグのバランスもあんな感じ。
とにかく主人公のケンが小学生のくせに変に老成していて面白い。鶏のから揚げも軟骨揚げも最高。
そして、弱い主人公が修行の果てに強くなるという、この単純なストーリーは、やはり男の子のハートをがっちりつかんで離さないぞ。
これこそ、少年漫画の王道であーる!
あ、いけね。これ、漫画じゃなかったな。
主人公は喘息もちの小学五年生ケン。
強くなりたい。でもそんなの病気がちのぼくにとっては夢物語だよね……。
と、そんなとき、ケンは山奥で治療院を開業している叔父のもとへ行くことになって――。
キレのある筆致で勢いよく展開する本作。
バトルあり、友情あり、お灸あり、謎の敵勢力あり!?
まさかの相手との友情を育み、夏休み明け、一回りどころか別人レベルで成長したケン。新学期はクラスの人気者になって、最高の小学生活……かと思いきや、小学生人生もそう単純ではないのです。
急に来たモテ期、嫉妬、ふいうち、不吉な予言、あんなところに猫……。怒涛の展開からのスカッとするラスト。
元気いっぱい、個性的なキャラと小5にしては達観しすぎの主人公ケンの語りが、くすっと笑いを誘います。バトルもお笑い要素のある楽しいものですので、血なまぐさいのが苦手な方も大丈夫。
さらに特徴なのがユニークな構成でしょう。
自分を客観的に把握するのは難しいことですが、本作はある方法で主人公にそれをつきつけます。熱い男子の成長物語。もちろんヒロインの少女たちも個性たっぷりで素敵です。
病弱で運動も勉強もできなかった小学生・ケンが、鍼灸師の叔父さんから鍛えられ、健康で強靭な肉体と精神を手に入れた上、お灸でツボを刺激することにより超人化する『ヤイト拳』を編み出す物語。
どの登場人物もキャラが濃くて、みんな好きになってしまいました。
特に、師匠であるスエヒコ叔父さんがカッコいい! 彼は心身ともに完成した大きな存在で、名台詞しか言いません。
また、ケンの達観した言動がシュールなおかしさを生み、地の文を読んでいるだけでじわじわ笑えます。
作者さまの経験と知識が存分に活かされた鍛錬方法や『ヤイト拳』発動のメカニズムなどに説得力があり、面白いです。
肉体を鍛えること、精神を強くすること、自然とともに在る過酷な修行シーンは読み応え抜群!
また、強くなったケンが学校に戻ってからの生活で感じた物足りなさも、すごくリアルでした。
世界と自分のバランスを知ること。その難しさ。実際こういう問題に直面している子もいると思います。
笑えるだけでなく、心が熱くなり、真の強さや賢さとは何なのか、いろいろと深い学びを得られる作品です。
コミカライズ希望!(もちろん劇画タッチ)
とても面白かったです!