子供だった自分へ送る夢と冒険と笑いのエール

読み終えて、これは子供だった自分へ送る物語だったんだな。
そんな印象が浮かびました。

子供時代は無限の可能性を秘めているモノ、でも当の子供にはそれは分かりません。
日々忙しいし、勉強も宿題も遊びも家族サービス?もあります。
それに妄想やらなんやらかんやらで頭の中はかなり混乱もしています。

そんな子供時代の自分に向けて、いくつもの楽しい可能性を広げて見せたのがこの物語です。
主人公はかなり虚弱で目立たない少年「ケン」
そんな彼が親戚のオジサンの元でくらし、修行を重ね、さらにヤイト拳なる技を編み出し別人のように生まれ変わります。

ちなみにこの辺の修行シーンがまた楽しい。全編楽しいのですが、この修行シーンは格別です。
もとから語り口の面白さが特徴的な作者ではありますが、さらにコメディー感をまして実に面白い。
この叔父さんが一見怪しそうな感じではあるのですが、ちゃんとした理論と理屈で体の内にある元気を引き出してゆくのです。

そして学校へ戻ったケンは一躍人気者に。
クラスの美少女に好かれ、ライバルとの友情があり、悪漢を倒し、バラ色の時代を謳歌します。
しかしそこには当然落とし穴もあるわけで……

と、まぁとにかくジェットコースターのように楽しいストーリへ展開。
でもそこにはちゃんと一本の芯が通っているのです。
そこがこの物語のいちばんのポイントであり、ぜひ子供にも読んで欲しいと思わせるところでもあります。

いろいろ書きましたが、とにかく面白い物語です。
ぜひ読んでみてください!



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