冥土の土産にアナタは何を手にするのでしょうか?願いはたった一度だけ……

 舞台は岡山倉敷美観地区。白壁の良き時代を感じる人気スポットに在る不思議な土産物を売るお店での物語。連なる白壁や格子窓の町並に枝垂しだれ柳の並木道。淡い橙色の光彩が夜景を幻想的に包み込む。古民家を再生した昼間は土産屋店舗。夜になるとその場は一変するというが……。

 その土産物屋「まほろば堂」の一角で夜な夜な行われる魂の契約書のやり取りとは……。

 冥土の土産に最後の望みを叶えてくれる。という摩訶不思議な契約書があるという。
 死の淵に出会うと人は何を思い、何を選ぶのでしょうか?魂を引き換えにして何を望むのでしょうか?

 死生観に訴える物語の結末に待っているモノは、優しい嘘のシナリオとある種のトリックによって成立する驚きのヒューマンドラマがギッシリと詰まってます。

 感動のラストは清々しさを含んだ大団円。続編が読みたくなる。そんな一作です。

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