リフレイン。それは死のループ。神の悪戯によって試される理の意味とは?

 その日、世界は崩壊した――。

 崩れゆく街並みの中、主人公である高校生の少年カノアは、それを黙って自らの死を受け入れることしか出来なかった。
 
 意識が闇と混ざり合い、カノアが目覚めた時、そこには異世界が広がっていた。
カノアは宵闇の森で少女ティアと出会い助けられるも、二人とも魔物に殺されてしまう。
 
 だが、死んだはずのカノアは再び目を覚ました。
 何度も、何度も死んでも、時間を遡行し同じ日を繰り返す。死に戻りを繰り返していく内に世界は微妙に変化を遂げる。

 死に戻りの意味とは何なのか?神の理の意味とは何なのか?次から次へと疑問は膨らんでいく。
 この世界の神と言う存在は何がしたいのか?怪しげな組織も何を企んでいるのか?

 伏線だらけで進んで行く物語の随所にパズルのピースがカチリと嵌り込む瞬間は、なるほど⁉と感心してしまう。

 練りに練られた本作の世界観は息を飲む程広がっています。



 何度でも死に戻るダークファンタジー。新感覚のミステリーでもあります。

その他のおすすめレビュー

甲斐央一さんの他のおすすめレビュー504