ユーモアに満ちた、とっても楽しい掌編です。
ある検定を受けにきた主人公。そこには同じように何かの別の検定を受けにきた男がいた。おそらくは「鉄砲玉検定」というちょっと危なそうなもの。
その男とトラブルを起こしそうになり、主人公は「とある検定」で獲得した特殊なスキルを使って乗り切ります。
作中では様々なタイプの検定が存在し、それによって「なすべきこと」や「できること」が規定されます。それらが次々と連鎖し、読者は気づけばどんどん引き込まれ、あっという間に最後まで読み終えてしまうことになることでしょう。
検定とは、本当に人を幸せにしているのか。縛られて支配されているようにも見えるし、そこで得たスキルによって上手く世の中を渡っていけているようでもある。
テンポよく読める、風刺の利いた面白い作品でした。