星条旗を染めた血と涙、そして若き女性たちの戦いの記録

アメリカの南北戦争を舞台にした作品ですが、この物語の主人公は当時まだ立場のずっと弱かった女性。二人の若い姉妹が歴史の渦にみずから飛び込み、翻弄されながらも自分たちのできることを貫くさまが、目に浮かぶような映像的な筆致で綴られています。
南北の立場の違いや考え方の相違、また裏切りや水面下での策略など、歴史には込み入った印象がありますが、複雑な時代背景も読者に伝わりやすい文章なのがありがたいです。
リアルな戦場の記録とともに、主人公アニーをはじめとする人物たちの心の動きも手に取るように描写され、読みやすいのに大河ドラマのような重厚さを感じます。
物語はいよいよクライマックス。壮絶な時代を駆け抜けた彼女たちの人生を追ってみてはいかがでしょうか。