古代帝国の神獣加護国に伝わる故事の影響により、女王は不吉であることを掲示する高札が市場の目立つ場所に掲げられた兎国の王太子となった瑠土花(ルドカ)は急逝した兄、世土玖(セドク)の残してくれた言葉を胸に女王を目指すことを決意する。霊廟で飛んでいく月蛍を追いかけ辿り着いた王権神話の絵物語の壁画で聞こえてきた魂の声、稗官、燐渓雪(リンケイセツ)の助言を受け、自らの運命を切り開くべく計画を進めていく中、王位継承権を巡る思惑と野心に巻き込まれていく—。果たしてルドカは決意を達成し、女王になることができるのか—。古代中国の神話や説話を連想させる中華風ファンタジーの秀作です。