一番の理解者に出会えた幸福、そして──

フレデリックとは誰でしょう?それはすぐに分かります。
教育虐待ともいえるピアノの練習で疲弊する少年の前に現れた「ともだち」。憧れの人が自分に語りかけ、励ましてくれる喜び。一番の理解者に出会えた幸福のときは、少年にとってどれだけ救いになったことだろう。
この物語に登場する母親は、ただの教育ママではない。この母のような考え方に自分も、誰しも、どこか染まってはいないだろうか。少年の心情と相反する母親の心理にも目を向けねばならないと思いました。タイトルの手紙の書き出しが、いつまでも切なく心に残る物語です。

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