第9話 パートに出る

 つわりがある程度落ち着いてきたら一人でいるのも淋しいし少しは家計の足しになると思い拓哉の勤めるスーパーの別の支店を紹介してもらって朝8時から12時までの4時間だけパートに出始めた。


 私が配属されたのは惣菜部門で久しぶりの仕事は楽しかった。惣菜のおばちゃん達もみんな優しかった。惣菜の主任の畑中さんは仕事には厳しかったが私が妊娠中にも関わらず立ち仕事で頑張っている姿を見て「よく頑張るね」といつも感心して褒めてくれていた。畑中さんも妊娠中つわりがひどく血を吐いていたという。しかも出産するまで入院していたというので私はまだましな方だと思った。


 こうして私は出産間際まで午前中はパート、午後からは家の用事を済ませてから元々好きだった手芸をしたりして自分なりに一人の時間を楽しんでいた。多少の不満はあるもののこの頃の私はまだまだ幸せの中にいたのだった。

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