第11話 久しぶりの実家

 母子共に順調に1週間が過ぎ、退院後の1ヶ月は実家で過ごした。身の回りの事は母がやってくれていたのでゆっくり休む事が出来た。母は産後の肥立ちが悪くなるからと産後1ヶ月はテレビや本を見たりしないようにと言っていた。昔からの言い伝えらしい。家事などもあまりせずゆっくり休むように言っていたので私は翔にお乳を飲ませおむつを替えたりする位でのんびりさせてもらった。とはいえ夜中の2時間おきの授乳はしんどかった。さっき飲ませたばかりと思っていても翔の泣き声で起こされるのだ。時計を見ると丁度2時間位経過しているのだが、寝た気がしなかった。


 それにしても赤ちゃんの寝ている姿は何て愛らしいのだろう。辛い事も全て忘れさせてくれる天使だ。だから自分の時間が削られても一生懸命育てていけるんだろうな。こんな風にして子供を育てながら私自身も成長させてもらっているのだろう。


 約1ヶ月の実家生活を終えて私は翔と一緒にアパートに帰って行った。いよいよ家族3人の生活の始まりだ。翔が生まれてからはだんだんと翔中心の生活に変わっていった。相変わらず拓哉の帰りは遅かったので翔のお風呂は殆んど私が入れていた。

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