第6話 結婚
結婚式は盛大に行われた。拓哉は長男だったのでいずれは家を継ぐ事になっていた為、ご近所さんもお嫁さんの披露も兼ねて招待されていた。交際中は拓哉と私だけの問題だったがこれからは嫁として拓哉の家族や親戚、ご近所との新たな付き合いも始まるのだ。又、拓哉の家は農業も兼業していたので私が苦労するだろうと母は結婚に反対していた。最終的には協力してくれたが私はそういった事をあまり深く考えていなかった。愛があれば何でも乗り越えられる思っていたのだ。拓哉だけを信じてついてきたのだ。
新婚旅行は一生に一度の事だからと奮発して憧れのハワイへ。婚姻届を二人で町役場に提出した時は幸せの絶頂だった。私は木村志乃から山下志乃となり晴れて拓哉の妻となった。新居は拓哉が職場の近くのアパートを探していてくれた。私達の結婚生活はこうしてスタートしたのだった。誰もが羨む幸せな結婚生活が送れると信じていた。しかし、ここから私の想像を絶する日々が始まるのだった。
実家を生まれて初めて離れた私は何もかもが初めての経験だった。家事一切が新一年生だった。徐々に家事は慣れていったが拓哉が仕事から帰る時間が遅く決まった時間に帰って来ない事に慣れるのにまずは苦労した。
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