本当はさ、神様に身を捧げたのは彼女の方かも知れないぞ…
「嫌いな相手にする行動じゃないよな、デートも。それなのに番号変えるって、相当な覚悟だろ？ 本当はさ、神様に身を捧げたのは彼女の方かも知れないぞ…」
木村さんの言葉が、核心をついたような気がした。
でもその時の僕には気がしただけで、何が核心なのかさえ、分からないでいた。
大学入学以来ずっと一緒にいた丞と遥。
やがて遥はからだの変調に悩まされ、遺伝性自己炎症疾患とういう難病であると診断される。
病に翻弄されながらも結局二人は別れを選ぶ。
失意に苦しむ丞は新たなパートナーを得て家族を持つも、遥の母からある秘密を告げられる。
優しく純粋であるがために傷つき、翻弄される二人。
それでも生きることの大切さを知る人間ドラマ。
side-Aは丞の一人称
side-Bは遥の一人称
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