ふたつの心⑤への応援コメント
襟足の髪を指にぐるぐる巻きつけるジュール……不機嫌を見透かされてしまいますね。ジュールが嘘をついていたことを怒るヤンが、不機嫌の根本的な理由を突き付けました。「傷と共に生きていくしかない」というふうに、十五歳のジュールを糺したころから、ヤンは変わらず太陽で在り続けますね。そしてギヨームもジュールを愛する人ですね。書きかけの手紙の意図、ヤンは汲んでいることでしょう。
作者からの返信
宵澤様、
細かいところにも目が届く(!) 指摘をありがとうございます。髪を触るのはもろに欲求不満や不安感の表れですね。種を明かせば、ケン ローチという人の「家庭生活」という映画の中で、精神を病んでいく女の子が常に前髪をよじっていて、そのイメージが強く残っていたのを使ったんです。
ヤンの持っているような正しさは(というよりも自分の思いを言ってるだけなんでしょうが)、強くなれない人間には時に息が詰まると思うのです。これはこの話を書いている頃の僕自身の気持ちでもありましたが。だからつい反発して、後になってからその率直な愛情に気づくんですね。その時はもう遅いんですが。
そういう意味ではギヨームの大きな愛情は本当に大人だと思います。
またまた長くなってしまいました。コメントにいつも感謝しています。
ふたつの心①への応援コメント
柊さん、こんばんは。アントルシアンエルーが此処に!!!(片仮名表記が何とも我ながら切ない莫迦さ加減を醸し、お恥ずかしい限りです)
ところで、お話の延長で恐縮ですが、フレデリック様のように潔癖な方は「自分の身を汚さず世間体を繕うための結婚」を希まれるのかしら?と考えてしまったのです。
「フレデリク・ショパンは、ジョルジュ・サンドが前の夫とのあいだにもうけた、ふたりのこどもと暮らしていた。彼は潔癖だった」
私の中に伝記漫画が伝えるショパンの、そんなイメージがあったせいでしょう。昨年は、見当違いなことを述べて柊さんに呆れられては哀しいと危ぶむあまり、ノーコメントで居りました。ともかく「この解釈、何!?」と問い返さない柊さんの優しさに感謝です。もうすぐ読み終わってしまうのが物淋しいですが、読み進めます。
作者からの返信
宵澤様、
自由に解釈して下さって結構ですよ。むしろ読み込んで頂けて嬉しいぐらいです。僕は深層心理ではフレデリックは潔癖の反対なのではないかと思っていました。自分を殺しすぎているから歪む、というか。これには肉体的な弱点を持っているという可能性も考えていました。でもひいなさんの解釈の方がすっきり収まる気もします。
ショパンとサンドの関係ってどうなんでしょうね。サンドは随分とショパンに気を遣っていたみたいですね。彼はサンドの娘と仲良くて、それにサンドが嫉妬したとか、息子を溺愛するサンドにショパンが嫉妬したとかで、2対2の構造になってしまったという話を聞いたことがあります。いずれにせよショパンは繊細(というか神経質)で難しそうな人だなあと思います。彼と10年(記憶が正しければ)も付き合ったサンドはよほど母性的な人だったんでしょうね。
話が逸れて長くなりました。
犬と狼の時間...束の間の平穏でした。
迷える者④への応援コメント
お金に困って感情を表に出さないようにして、やり過ごすジュール……「うずらの子」と呼ばれるの哀しいですね。ジュールが持たざる者の幸いを希むかのように、森番だったころの自分を懐かしむ気持ち、分かります。
山羊飼いでいれば、何も嘆かなくて良かったのかもしれません。
「比較する何か」を持たないことを希む、閉じた世界。しかし、ジュールの世界は既に開かれてしまっています。もう何も知らなかったころには戻れないんですよね(T_T)……すみません。何か感傷的になりました。
作者からの返信
たいした欲もなく、比べるものなどない世界、狭くてもそういう世界が幸せだということもありますよね。現実を見せつけられたジュールは、自分の得たものに迷いを持ち始めてしまいます...。
明暗⑤への応援コメント
差し出された手に縋るジュール。一年五か月間、辛い日々でしたね(T_T) エドガーの存在は救いでした。そして、ギヨームのセリフ、優しくて……ヴェルレーヌの詩が呼び水になったときのように、またもや私に泪が……。
「君のことを教えてくれ。君の歴史を私に聞かせてくれ。知っておきたいんだ。君の歩んできた人生を」……そうして心を開くジュール。まさに人生の明暗です。絶望も希望も訪れますね。柊さんの筆致には感情をルバートさせられます。こうして、また読むことができて嬉しい。ありがとうございますm(__)m
作者からの返信
エドガーの存在と、ギヨームに出会えたことがジュールにとっては大きな救いでした。明と暗を感じ取って頂ければ幸いです。
感情をルバート...光栄です...。読んで頂けることが、僕もとても嬉しいです。
編集済
森番②への応援コメント
ここまで拝読させていただき、フレデリックさんというキャラクターがとても気になります。涼しげな……冷たげな美青年を想像させていただいてます。そんなお人が、ジュールの美貌を覗き見て、釘付けとなってしまったようですね……いったいこの後、どういった形でこのお兄さんが絡んでくるのか……楽しみです。
毎晩、ゆったりとページを捲らせていただきますね。
作者からの返信
北極ポッケ様、
コメントを下さり、ありがとうございます。
フレデリック…涼し気というより冷たげな、という印象ですね。作者もそういうイメージでおります。
お読みいただきとても嬉しいです。ありがとうございます。
どうぞごゆっくり、お過ごしください。
出会い④への応援コメント
文学で通じ合える人に出会ったジュールが、モーパッサンのレビューをしていますね!
「乾いてて、残酷で、後味が悪いから」好き。人間は所詮、滑稽な動物で、エゴの塊。フレデリックさんは、人間らしい人間と言えるのかもしれませんね。
ヴェルレーヌの詩がヤンを思い出させますね(T_T)
「心の隅っこに押しやった過ぎし日の思い出」が揺さぶられます。
作者からの返信
モーパッサンのレビュー…(笑)確かにそうですね。この歳でモーパッサンが分かるのもちょっとかわいそうなんですけど…彼の経験からいくと当然と言えば当然で。
ヴェルレーヌの暗唱で押しやっていたものが一気に蘇ってしまいました。きれいな思い出ほど後で苦しめるものですね。
故郷⑤への応援コメント
最終話の構成が、もうほんとに凄くて…!
アランとディディエのこと、両親のこと…ひとつわかる度に、ジュールの人生が大きく波打っては落ち着いて、今のジュールの中に吸収されていくのを感じました。
神父様、色々と教えてくれただけでなく、ジュールに先の人生を提示してくれたことが…何から何まで恩人ですね!
始まりの故郷に残っていたのが素晴らしい再会で本当によかった。アランのことだけは気がかりですが…ジュールは会いに行ったのでしょうか。
そしてヤンとの再会。もうこれ以外は考えられない!というくらいピタリとハマる、必然を感じました。二人はもう大丈夫、そう信じることができて心が温かくなります。
再読できて、本当によかったです。
改めて、お疲れ様でした&ありがとうございましたm(_ _)m
作者からの返信
黒須様、
最後まで見届けてくださり、ありがとうございます…!!
再掲載するの、不安でした。でも更新のたびにすぐに読んで下さったこと、あたたかいコメントの数々にものすごく支えられました。並走者のように励ましてくださいました。いくら感謝しても足りないです。本当にありがとうございます。
そして、勿体ないぐらいの素晴らしいレビューを書いて下さり、感激しています。こちらこそ、宝物を頂戴した気分です。
沢山勇気づけられました。心からお礼申し上げます。
ありがとうございました!!
故郷⑤への応援コメント
ほんとに、ほんとに良かったです。( ; ; )
ジュールは愛し合う両親の元に生まれ育ち、
何があっても生き抜きました。
ヤンとの再会に嬉し涙が止まりません。
ハッピーエンド。こうなる事を知っていたのに、何度もジュールと一緒に
悩み、苦しみ泣きました。だから今は二人の幸せを喜び、続く事を祈ります。
柊さん、この作品を書いて下さりありがとうございます。
星三つでは足りないです。もっと多くの人に届けたいです。(o^^o)
一度感動した……みんなもそう願っていると思います。(^^)
次の作品お待ちしています。(*´꒳`*)
作者からの返信
星都様、
最後まで読み切って下さり、本当に、本当にありがとうございます。
正直なことを言えば、悔しさと不安の中で再スタートしました。でもこうしてぴったりと寄り添うように更新にお付き合い下さり、再読にも関わらず物語の中に入り込んで下さって、優しいコメントを残して下さって、僕は涙が出るほど嬉しく、心強かった。もう一度掲載することができてよかった。身に余るお言葉、心から、感謝しています。
言葉に尽くせません。ありがとうございます…!!
袋小路④への応援コメント
「いつまでも純粋でいるのは命取り。割り切れない奴が負ける」……現実は、そういう場所ですね。鈍感に、心穢れ、割り切ることができたならば、死を望まずに居られるでしょうか。ジュールは純粋な上に繊細だから、本当に……(>_<)
フレデリック!!と、今度は呼び捨てたくなる章でした。スミマセン。熱が入っておりましたm(__)m
作者からの返信
宵澤様、
そうですね、ただ、そう言っているエドガーにさえ割り切れないものがある。大半の人はその矛盾を抱えながら生き延びているんじゃないでしょうか。
フレデリックには人の持つエゴイズムを露骨に表してもらいましたが、これだってもしかしたら常にどこかで起こっていることだと思えるのです。
袋小路①への応援コメント
柊さん、
『ジュールの森』完結おめでとうございます! 連載お疲れさまでしたm(__)m
私は、まだ『袋小路』に居りますが、この夏のあいだに完読したあかつきには、レビュー文を書かせて頂きたく思っております。
しばらくパリを離れられるのですか? お身体ご自愛ください。ご無理なさらず、ゆっくりと書いたり読んだり、楽しまれますよう。私も休み休み……と言いながら毎日、更新していますけれど、無理はしていませんよ。楽しんで続けていることですから。では読み進めさせて頂きます。わくわく(^^♪
作者からの返信
宵澤様、
ありがとうございます。始めると集中してしまい、かなりハイペースでした。でも見直すいいきっかけだったと、そう思っています。お言葉、有難く頂戴します。
ひいなさんも毎日の更新、根をつめられないよう、楽しんで下さい。
別離④への応援コメント
「君の痛みを僕に分けて欲しいってことさ」
「傷は、いつかきっと小さくなるよ」
「ずっとずっとそばにいて、君のために生きたい」
……『ジュールの森』の『別離』の章には、真っ直ぐな愛の覚悟に充ちた想いが沢山、綴られているのに、あの御方の破壊衝動により引き裂かれていきますね。此処から辛いところですけれど、確かに見届けたいです。
ヤンの歌が耳にこだまするのが切ない。そう言えばヤンのモデルは、琴を持っていました! あの絵画も美しかったですね。
作者からの返信
宵澤様、
ストレートな言葉が多いですね。このくだりは何度も書き直しました。白々しくなったり、芝居がかるのが嫌で。今でもこれでよかったろうかと思いますが、ジュールの精一杯のセリフです。
フレデリックの破壊衝動は、もしかしたら誰の胸にでも起こりうる感情ではないかと思います。彼には人が隠したがる負の部分を全部担ってもらおうと思っています。
ブロックの絵を覚えていて下さって嬉しいです。ヒュアキントスの表情が特に素晴らしいです。
編集済
迷える者④への応援コメント
この辺も、前読んだ時、ほんとに切なかったんです…( ; ; )
やっと愛する人のそばにいられるようになったのに。自分を卑下して嘘までついてしまって、状況がどんどん悪くなって…
前も書きましたが、ジュールの中にある誇りが、ヤンへ甘えることを許さなかったんだな、と。
高潔であるが故に、要領のいい生き方ができず…不憫ですね…でもそれがジュールなんですよね。
作者からの返信
黒須様、
コメントありがとうございます。
要領のいい生き方ができない、それですね。誇りがあるのに自分を卑下してしまう…いや、むしろ誇りがあるからでしょうか。甘え下手というか、はたから見るともどかしいかも知れません。
秘めごと④への応援コメント
後ろ手の妖しいフレデリック様(なぜか様付け)、「お前がヤンとピアノで遊んでいるのも知ってるよ。母のいない時を狙って」と、こんなセリフを仰っていたのですね!!皮肉です。
ジュールが『脂肪のかたまり』を読んでいましたね!懐かしいです。そして絵を通じてフレデリック様の禁断の心を知ってしまうジュール。ざわざわし始めますね。
作者からの返信
ひいなさんも様付けですか(笑) 何がそうさせるんでしょう。オスカーのせいですかね。
『脂肪のかたまり』...これを書いているころ、作者もモーパッサンにはまっておりました。懐かしいです。
少しずつ不穏な空気が漂い始めました。たくさん読み進めて下さり、ありがとうございます。くれぐれも目はお大事にしてくださいね。
初恋④への応援コメント
なんて切ない初恋……なにもかもほどけてゆく本当の口づけ。
子鹿のようなジュールと豹のようなヤン。
「君に食われちゃうじゃないか」って、可愛らしいです。
「……好きな人と愛し合うって、こんなに幸せな気持ちになるんだね」と、素直に心ほどけているジュールも素敵で、ふたりの幸福な時間が、あたたかく残ります。この先の展開を存じているだけに、とどまっていたいような、でも読み進めたくなる魔力が此処にあります。
作者からの返信
宵澤様、
ふたりの幸福な時間を見守って下さりありがとうございます。初恋の戸惑いや思いの苦しさ、相手と気持ちが通じ合い、ひとつになることの純粋な喜びを、ジュールを通してストレートに書きたかったです。
アプリヴォワゼ⑤への応援コメント
悪夢に魘されるジュールの枕辺に立つヤン、ジュールにピアノや文字の綴り方を教えてあげたり、本を提供してあげたり、心の優しい青年です。ジュールの痛みはジュールだけのもの。忘れることはできないと、痛みと共に生きようと、正論を教えるのもヤンですが、ジュールの傷は、まだ真新し過ぎたのかもしれませんね。そんな彼にヤンが繰り返す言葉……「汚くなんかない…!絶対に…汚くなんかない……!」
言葉が届いて、ヤンがジュールの髪を綺麗にしてあげる場面も素敵です。信頼という糸で繋がっていると感じます。そう言えば『星の王子様』で「Apprivoiser」は「時間をかけてできた絆」とも訳され、個人的に、とても好きな単語です。「手なずける」=「仲良くなる」=「目に見えない絆」という解釈でしょうか。仏蘭西語の解釈とは色々に考えることができるものですね。「アプリヴォワゼ」と片仮名表記も綺麗ですし、この「アプリヴォワゼ」という章の内容が、本当に好きです。
作者からの返信
宵澤様、
コメントありがとうございます。「時間をかけてできた絆」とはいい訳ですね。一般的には動物を手なずける意味で使われる言葉なのでフレデリックにそう言わせています。でも解釈としては星の王子様のキツネで、お互いを必要としはじめる雰囲気をこの章に出してみたかったです。カタカナにするときれいですよね。分かってくださるの嬉しいです。
アプリヴォワゼ②への応援コメント
ピアノ・レッスンの場面、やっぱり好きです。文章が、映像と台詞と音を伴ってくるようで。ヤンが弾くショパンを聴いてみたい。フレデリックが嫉妬するほどの音です。さぞかし艶やかな音なのでしょう。
ヴェルレーヌの詩が効果的に挿入されますね。「こゝかしこ」の「ゝ」……なんとなく縦組みにしか通用しないと思っていたのですが、横組みでも、この文字は、いい効果を出しています! 御作は縦組み推奨かもしれませんが、横組みでも綺麗に伝わってきます。
作者からの返信
宵澤様、
コメントありがとうございます。
小説自体をまず縦書きで書いたので、横書きになることに抵抗があったのは確かです。でもそう仰ってもらえると安心しました。
ヤンが弾くショパン、どんな感じなんでしょうね。でもまず宵澤さんのショパンを一度聴いてみたいです。
ジュールの話④への応援コメント
ジュールの語りで振り返られる過去。此処、大好きです。「本当に悲しい時に流す涙」を流し、父の柩にパイプを入れてあげればよかったと泣くジュール、「あの十二月の最初の木曜日」の悪夢、以降、繰り返される木曜日の「儀式」が気の毒で、共に私も泣いていました。「ぼくは、ころされる」……特徴的な平仮名表記に、真実の恐怖が表われているように思います。
御作が素晴らしいということは既に読了済みで解っておりますので、先に☆を置かせて頂きますね。レビュー文なんですけれど「昭和三十年代、日本の文学史上に放たれた森茉莉女史のボーイズ・ラブ。滞仏体験を経て才能の花を開かせた女流作家の耽美な作風を、軽やかに超える衝撃が、令和の時代に、もたらされたのではないでしょうか。柊圭介氏の『ジュールの森』は令和時代に彗星の如く現われた純文学でありBLです」と、昨年、そう書きたかったのですが「森」という単語が被るので遠慮したのでした。茉莉女史は、かなり頽廃に偏った作風で、御作も頽廃に帰結するのだろうかとハラハラして一読した日のことを、とてもよく憶えています。良い意味で期待を裏切られ、あの結末は本当に珠玉でした。
柊さん、休暇中の励みをたくさん頂いていました。本当に有難うございます。コメント返信は後程、改めて、ゆっくりと大切にさせて頂きます。柊さんも眼の疲れには、お気を付けくださいね。
私たちの周囲が猛スピードで流れ落ちていく気がします。いろんなことが変わっていきます。ずっと幸せなときが続けばよかったのに。せめて森は不変に此処に在ってください。少し休憩して、また参ります。ではm(__)m
作者からの返信
宵澤様、
ジュールと共に泣いて下さる優しさ、痛み入ります。丁寧に読み込んで下さり、細かいところまで意図を汲みとっていただけること、本当に有難く思います。
森茉莉女史って森鴎外の娘でしたね。知らないことばかりで…。それにしてもものすごいレビュー文を考えて下さってたんですね。作品が負けそうです…(汗)
BL枠には入りますが、作者としては青春小説のつもりで書きました。その中で退廃的な部分も出てきますが、それが主体ではなく、あくまで一人の人間の青春を書きたいと思っていました。
いつも丁寧なコメントを寄せて頂き、恐縮するとともに報われる思いがします。有難い評価も頂き、心からお礼申し上げます。つい少し前までこの場におられた方につけて頂いた星が、バトンのようにひいなさんの星に取って代わりました。物事も人も、流れていきますね。ずいぶん辛い思いをされたことだろうと察します。そして自分もそういう思いをさせてしまった一人であったことに、今さらながらお詫びを申し上げます。
この場へ戻り、作品を再建築していけることを、幸せに思っています。
お体はくれぐれもお大事に、いつでも居りますので、またゆっくりいらしてください。
森番①への応援コメント
柊さん、こんにちは。再び、お邪魔いたします。
「貿易、外国、屋敷、財産」と、「山羊の群れ、牧場、貧しい家、そしていつもそばにいた父」の対比。後者を持つジュールの「それが全てだった。そしてそれだけで幸せだった」という心に、彼の生い立ちと謙虚な心が表われていますね。
「緊張して硬くなった顔はむしろ咲きかけのつぼみのように繊細で可憐」……子鹿であり、つぼみのようなジュールの容貌が眼に映るようです。
作者からの返信
宵澤様、
おいで下さりありがとうございます。
ジュールの世界になかったものばかりですね。何事も知ってしまうとその分自分の荷物を増やしているようにも思えます。余計なものを知らずにそれだけでよかったと言えるジュールは幸せだったのだと思います。
報復④への応援コメント
これも特に切なかったシーンです。
ジュールには罪はないのに、こんなにも優しい人を傷つけてしまった…
先生の店通いの代償を、今になってこんな形で払わされることになるなんて。
それでもこの家族と過ごした年月が無駄ではなかったこと、エレーヌの心がいつかジュールに対して穏やかになることを願うしかありません…。
作者からの返信
黒須様、
たくさん読んで下さってありがとうございます…!
誰かが幸せになる時は別の誰かがその代償を払っていることがあるのかも知れません。エレーヌは苦しさをこれ以上留めておくことができなかったのでしょう。彼女はようやく自分の心情を吐露できましたが、今度はジュールがすべての代償を払うことになりました。
出会い④への応援コメント
もう、あの詩が出たとたん、こっちまでブワッと来ましたよ…( ; ; )
今思い出すにはあまりにつらい、幸福すぎる記憶。もう眩しすぎて正視できないくらいに感じます💦
本の話で普通の素直な少年に戻るのが、また凄い。ジュールはどこまで魅力的になってしまうのか。
これは先生落ちますよね…♡
作者からの返信
黒須様、
詩の冒頭の言葉を聞いた瞬間からジュールの中でこみ上げて来てしまったでしょうね。実は最近個人的に同じような思いをしました。一瞬で涙腺が崩壊するような出来事で。自分で書いておきながらこのシーンを追体験した気持ちでした。
先生、落ちましたね。同時にジュールもこの人に心の殻を割られてしまいました。ギヨームを登場させるのが嬉しかったのを覚えています。
物語も中盤です(やっとか)。追いかけて下さること、とても心強く、感謝でいっぱいです。黒須さん、本当にありがとうございます。
山羊飼いの少年④への応援コメント
「ジュールの心の中で何かがほどけるような感触がした」……警戒心が解け始めたと同時に、あたたかさが広がるような気がしました。ヤン青年は立派な医者の素質を持っていますね。
柊さん、私の記憶に乱れが無ければ、たしか『ジュールの森』は「容量オーバーになった脳内ハードディスクの内容を外のディスクに移し替えたもの」で、それが小説という形をしていたんですよね。つまり、創ろうとして創られたわけではない純粋な文章で、泉のように湧き出ずる小説だった。だからでしょうか。瑞々しいのです。
そして、やはり柊さんの文のリズムにはヒーリング効果を感じます。初めて拝読いたしました際には、物語の先が気になるあまり速読してしまい、ちょっと勿体無かったような気がしないでもありませんので、今回は、ゆっくり大切に味わって拝読いたしますね。まだ目が本調子ではないこともあり、ゆっくりしか進めませんが、ご容赦下さい。
作者からの返信
宵澤様、
細部まで読みとって下さり、書き手として嬉しい限りです。
よく覚えて下さってますね。頭の中のものをとにかく吐き出したくて夢中で書きました。瑞々しいと形容して頂けることが光栄です。
どうか、目を酷使されませんよう。僕はここに作品を置けるだけで幸せです。読んで頂けるのは見に余るほど贅沢にありがたく思います。
心から、お礼申し上げます。
序への応援コメント
柊さん、
いまいちど、こうして『ジュールの森』をお散歩させていただける機会に恵まれ、嬉しいかぎりです。
そう。この書き出しですよね。少年を子鹿に喩えておられるところ、今まで言いませんでしたが、実は非常に共鳴したのです。何故なら、私が真に論理的な少女だったころ、書いた小説のタイトルが『仔鹿の眠る園生』だったから。やはり少年が主人公です。少年の姿の比喩として、仔鹿というワードを用いていました。
柊さんは、かつて子鹿のような少年だったでしょうか。なんてことを想いました。
作者からの返信
宵澤様、
再びご訪問いただけること、心から嬉しく、感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございます…!
『仔鹿の眠る園生』可愛いタイトルですね。田園小説を思わせます。ジョルジュ・サンドのような。小柄で華奢な少年は確かに子鹿みたいですね。
アプリヴォワゼ①への応援コメント
私もリピートに来てしまいました。順不同に読ませていただき失礼します。
apprivoiser って味のある言葉ですよね。私の持っている学習CDに出てきます。星の王子様がきつねと友達になる時にきつねが教えてくれる言葉です。でも他では聞いたことなかったのですが・・・星の王子様も読んだことなかったりです・・・^^
作者からの返信
神原様、
号泣…。また来ていただけるなんて…。どうかお気遣いなきよう、お願いしますね。でも、とてもとても嬉しいです…!
そうです、アプリヴォワゼ、星の王子様のきつねの言葉ですね。僕も好きなのです。だからどうしてもフランス語のまま使いたかったです。一般的には動物に対して使う言葉ですよね。味があるのを分かって下さって嬉しい。
それから、すでに沢山の星を頂戴し、感謝しています。
胸がいっぱいです。ありがとうございます…!
故郷①への応援コメント
最終話①……ジュールは、まず墓標に刻まれた父の名を見たのですね。それが偽名だと知って向かい合う日が来るとは。神父様がジュールを見付ける場面、懐かしいです。
またまたお話の続きになりますが、作者様の解釈を聴かせて頂けて、すっきり収まりました。潔癖故に生じる歪み。フレデリック様は、人間誰しも持たざるを得ない歪みを極端とも言える形で、この物語中、引き受けておられるようにも感じました。
柊さん、ショパンとサンドって本当、どうなんでしょうね。仰るとおり「サンドの娘とショパン組」「サンドの息子とサンド組」で家庭内冷戦した挙句、ショパンは独り、パリの寓居に帰るのでした。10年も続いた愛に別離を告げた途端、持病が急速に健康を蝕むあたり、繊細で神経質だったのでしょう。彼の寿命を縮めたのは晩年の演奏旅行だとテキストは語りますが、サンドを失ったショックも大きかったはず……長文、失礼しました。まさかのショパン談義、楽しい夏をありがとうございます。柊さんに感謝です。
「家庭生活」という映画は存じておりませんでした。機会あれば学びたいメディアです。
作者からの返信
宵澤様、
父の墓標を見るジュールの心境、複雑だったでしょうね。
フレデリックに沢山言及して下さってありがとうございます。ここまで異彩を放つとは書いている時は思ってもみませんでした。
ひいなさんがショパン論とかショパンのピアノ曲論とか書かれたら面白そうですね。御作品の中に時々出てくる解釈が、素人にも分かりやすいので。
ケン ローチの映画は暗いですよ。もし機会があれば心身健康な時にご覧になることをお勧めします。