柊圭介様
読む手が止まらずにどんどん読み進めてしまいました。
とても簡潔で美しい文章に、フランスの美しい田園風景と人々の悲喜こもごもが描き出されていて、世界観にどっぷりと浸かりながら読んでおりました。
登場人物一人一人にある背景が丁寧に描かれていますね。あまりにも悲しい運命。でも、抜け出したくて足掻いて、一筋の光を見つけては裏切られ、それでもあきらめきれずに光を求めていく、そんな人間の姿が見えました。
加害者側にも気持ちの上がり下がりがあって。自分が受けた辛さのはけ口を弱い者に向けてくる愚かさ。そう思っても、私自身もきっとやってしまっているのではないかと、恐ろしくも感じます。
続きも心して読みたいと思います。
作者からの返信
☆涼月☆さん、こちらへお越しくださりありがとうございます!しかもここまで一気に読んで頂けるとは!光栄なお言葉に感激しています。
色んな登場人物が出てきますが、それぞれに人間を感じさせるようにしたいと思っています。物語の趣旨もすでに汲み取って下さっていて驚きました。丁寧に読んで頂きとても嬉しいです。
人は強さと弱さが紙一重のようなものですね。この後も色々ありますが、長いのでどうか無理のないペースでお付き合い頂けたら幸いです。本当にありがとうございます!m(__)m
柊圭介さんの作品は、暴力的な性描写とキャラクターの苦悩の表現が絶妙に上手いですね。実に生々しく、真に迫る表現です。また、悪役(?)に対する読者のヘイト感情をかなりシビアに煽ってきますね笑「こいつムカつく!」って必ずなりますもの汗
最近、あまり本作品を読みに来る時間ができていなかったのですが、また読み進めていこうと思います。
作者からの返信
主人公の苦しみを感じ取って下さりありがとうございます。
具体的な描写をせず、できるだけ淡々と語るようにしましたが、読み手の方にも心情が伝われば何よりです。
この章の悪役はただのクズですが、この先の人物たちにはもう少し人間味を持たせたいと思っています。お時間が許すかぎりまたおつきあいください。
編集済
『性』というものを扱う際、決して疎かにしてはならない視点ですね。改めて、深く感じ入りました。
一方的な欲望の捌け口とすること、これは欲求レベルとしてはあり得ても妄想と何ら変わらない。決して『性』に於ける行為ではないし、あってはならない。
『性交』とは、『共に』交じり合うことを求める行為であり、愛という観念の根源的な営みだと思うのです。
ひとは清濁ともに有するもの、渦巻く妄想を宿しながらも、愛とはなにかを自省しながら生きねばならない。しかし、実際には欲望ばかりが吐き出されている。
概念としては理解していたつもりなのですが、ジュールの視点に立ち、犯されるという恐怖を初めて知りました。こんなに恐ろしく悲しく惨めにさせられるものかと。
知らないことばかりで恥ずかしいです。
柊さんの強さと優しさを、ひしひしと感じました。
作者からの返信
呪文堂さん、たくさん読み進めてくださりありがとうございます。
この章を真摯に受け止めてくださり感謝すると同時に、少しほっとしています。こういった内容は嫌悪感とか好奇心の方を煽りやすい、難しいものですよね。
ジュールの立場になってくださったのが何より嬉しいです。こういう経験の苦しみは女性も男性も違わないと思います。一方通行なものは強い側のエゴでしかありませんね。
この話を前時代に設定したのはヒエラルキーが分かりやすいのもあります。肉体的にもですが、精神的に負けることの屈辱が出ていれば幸いです。
暗い話にも関わらずお付き合い頂けることに心から感謝です。ありがとうございます!
嫌な予感はしていましたが、叔父さんだけで無く、こんな事になってしまって…。
可哀想以外言葉が見つかりません。
お父さんが生きていた頃から虎視眈々とこんな事を考えてジュールを見ていたかと思うと本当に身の毛がよだつし、奥さんやアランも気の毒でなりません。
こんな出来事をヤンに話すには勇気が入ったと思いますが、それにも増して彼を
信頼したんだろうなと、それだけが救いです。
作者からの返信
たくさん読み進めて下さり、ありがとうございます。
これは一生ものの傷になりますね。行為自体もですが、誰かに支配される恐怖は(この歳では特に)経験してはいけないことだと思います。ディディエに関しては裏切られた気持ちの傷も大きいですし。仰るようにディディエは父がいる頃からそういう目で見ていたのだろうと思います。おばさんやアランが優しいだけに余計つらいです。
誰かに話すにはまさに勇気とその人に対する信頼が必要ですね。
ヤンがそれに適った人だとジュールには思えたのでしょう。話せただけでもよかったです。
やっと続きを読みにくることができました……。そして、驚きました。私の書いた〈THE LAST TIME〉などのシリーズの主人公のひとりに、境遇というか、見舞われた不幸がとても似ているので……。
そのうえ、うちのそのキャラクターも女の子と見紛うような、母親そっくりの華奢な美少年なのです。なので、なんだか自分がそのキャラに憑依して、そこからジュールと同じ痛みを感じながら見つめているような、妙な心地になりました。
この先がどうなっていくのか、とても気になります。少しずつにはなるかもしれませんが、こつこつと読ませていただきますね。
作者からの返信
烏丸さん、沢山読み進めてくださりありがとうございます!
コメントを頂き、先ほど御作をフォローしてきました。
色々共通する部分があるんですね。キャラに憑依して…なるほどそういう視点での読み方もあるんですね。御作の登場人物も興味があります。
この小説は生々しくなるのを避けるために時代背景を現実より遠いものに設定しました。どうぞご無理のないペースでジュールの青春を見守って頂けたら幸せです。
ありがとうございます。^^
編集済
信頼し、感謝している人からの裏切りと暴力。加担する人と、変わらず優しい人。外の光と薄暗い納屋。冬と春。陰影が見事で、絶望的な状況にも関わらず、希望も感じてしまう。
それが、捨てた過去を話している現在に繋がって、ヤンにジュールに光を灯してあげて欲しいと願ってしまいます。
追加コメント。柊さんとひいなさんのコメントに涙してしまいました。詳しいことは知りませんが、ひいなさんから親しい方がいなくなり、辛い時期があったとコメントを見たことがあったので。
こうして二人がまた交流していることに、嬉しさと感動を覚えました。
作者からの返信
コメントをありがとうございます。すごく感性豊かに読んで頂けるのがとても嬉しいです。
このジュールの独白で語られることがその後もずっと彼の人生にのしかかってきます。ヤンがどのようにジュールを照らしてくれるのか、見守って頂ければ光栄です。
追加コメントにこちらが感動です…。僕は一度退会したのですがやっぱり書きたくて戻りました。親しく交流していた人を失う悲しさは自分にも分かるし、今でも思い出すと胸がジクジクする方もいます。ひいなさんはそういう人の移ろいを沢山経験してそのたびに心を痛めて、つらい思いをされたし、自分もさせました。ひいなさんはじめ、再掲載にもう一度付き合ってくださった皆さんには涙が出る思いです。
そうですね、またこの場で交流できることは、本当に幸せです。そして、遊井さんのように今まで存じなかった方と知り合えて、あたたかい言葉をかけて頂けるのも、本当に嬉しいです。その気持ちを思い出させてくださり、ありがとうございます。
コメント失礼します。
苦痛に抗おうともどうにも出来ない弱者に手を出す輩はいつになっても無くならない。
世界が進んでも人間の欲望は悲しいかな不変で。
寒くなってガタガタ震えるジュールの姿は読むたび心を焼かれます。最後を知っているから今は耐えられますが初読の際はもう悲しくて堪らなかったんですよね…それ程この作品に入り込んでいたのを思い出します。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
弱者だからこそ、つけ込まれるし、手を出されるのでしょうね。悲しいかなディディエや三人の男たちのような人間は世の中に必ずいるわけで。
この章の後半は初稿は生々しさばかりが目立ってしまったので、とりあえず書き出したものをどんどん削って大幅に直したのを覚えています。
歯がガタガタ鳴るような感覚。ショックを受けた時の震えとでもいうんでしょうか。痛みに沢山共感してくださり、嬉しいです。ジュールも救われると思います。
ジュールの語りで振り返られる過去。此処、大好きです。「本当に悲しい時に流す涙」を流し、父の柩にパイプを入れてあげればよかったと泣くジュール、「あの十二月の最初の木曜日」の悪夢、以降、繰り返される木曜日の「儀式」が気の毒で、共に私も泣いていました。「ぼくは、ころされる」……特徴的な平仮名表記に、真実の恐怖が表われているように思います。
御作が素晴らしいということは既に読了済みで解っておりますので、先に☆を置かせて頂きますね。レビュー文なんですけれど「昭和三十年代、日本の文学史上に放たれた森茉莉女史のボーイズ・ラブ。滞仏体験を経て才能の花を開かせた女流作家の耽美な作風を、軽やかに超える衝撃が、令和の時代に、もたらされたのではないでしょうか。柊圭介氏の『ジュールの森』は令和時代に彗星の如く現われた純文学でありBLです」と、昨年、そう書きたかったのですが「森」という単語が被るので遠慮したのでした。茉莉女史は、かなり頽廃に偏った作風で、御作も頽廃に帰結するのだろうかとハラハラして一読した日のことを、とてもよく憶えています。良い意味で期待を裏切られ、あの結末は本当に珠玉でした。
柊さん、休暇中の励みをたくさん頂いていました。本当に有難うございます。コメント返信は後程、改めて、ゆっくりと大切にさせて頂きます。柊さんも眼の疲れには、お気を付けくださいね。
私たちの周囲が猛スピードで流れ落ちていく気がします。いろんなことが変わっていきます。ずっと幸せなときが続けばよかったのに。せめて森は不変に此処に在ってください。少し休憩して、また参ります。ではm(__)m
作者からの返信
宵澤様、
ジュールと共に泣いて下さる優しさ、痛み入ります。丁寧に読み込んで下さり、細かいところまで意図を汲みとっていただけること、本当に有難く思います。
森茉莉女史って森鴎外の娘でしたね。知らないことばかりで…。それにしてもものすごいレビュー文を考えて下さってたんですね。作品が負けそうです…(汗)
BL枠には入りますが、作者としては青春小説のつもりで書きました。その中で退廃的な部分も出てきますが、それが主体ではなく、あくまで一人の人間の青春を書きたいと思っていました。
いつも丁寧なコメントを寄せて頂き、恐縮するとともに報われる思いがします。有難い評価も頂き、心からお礼申し上げます。つい少し前までこの場におられた方につけて頂いた星が、バトンのようにひいなさんの星に取って代わりました。物事も人も、流れていきますね。ずいぶん辛い思いをされたことだろうと察します。そして自分もそういう思いをさせてしまった一人であったことに、今さらながらお詫びを申し上げます。
この場へ戻り、作品を再建築していけることを、幸せに思っています。
お体はくれぐれもお大事に、いつでも居りますので、またゆっくりいらしてください。
編集済
ジュールのように魔の美(というのかな)をもって生まれたきた蜜のような少年には、それだけで、蜂が寄ってきますよね。それを振り切って生きていくには、ヤンのような人が必要。これが小説のラストならほっとするところですが、物語はまだ始まったばかり。ヤンは学校に帰るのですから、ジュールのこの先にどんな大嵐が待っているのでしょうか、不安でなりません。いっきにさいごまで読みたいところですが、私の場合はそうすると、筋だけ追ってしまいそうです。文章にはとても美しい個所がいつくも部分がありますので、それを楽しみつつ、少しずつ読ませていただきます。
柊圭介さま、頑張って書かれましたね。(上から目線のつもりではありません)
私も似たような場面を書こうとしたことがはありましたが、全くうまく書けなかったので。
作者からの返信
九月さん、コメントありがとうございます。
なんだかもう色々と先を見通されているようでドキリとしました。そうですね、ジュールにはヤンのような人が必要ですね。
まだ二人の距離的には少し縮まった程度ですから、この後もっと近づいていくところがちゃんと書けていればと思います。
ストーリーを追って一気読みしてもらえるのも嬉しいですが、細かい部分まで見ていただけるのは書き手にとってはとても幸せです。
長いですのでどうぞ九月さんのご負担のないペースでお付き合いください。
励みになるお言葉、ありがとうございます。