応援コメント

「迷える者①」への応援コメント

  • 森の中、木漏れ日の射す森の中。
    こんな自然の中では、誰もが心洗われ素直な気持ちになれますね。
    ジュールが、どんなに辛い目にあってきても、ヤンを想う気持ちだけは消えずにいたことは嬉しいです。
    それをヤンにちゃんと言葉で伝えたシーンは尊いです。


    >思えば、それが二人の暮らしの中で、一番幸せな瞬間だった。

    しかし、この最後の一行に、絶句です。

    作者からの返信

    パリの郊外の森は本当に開放的で、心まで素直に正直にさせるものがあります。この場面は重たい物語の中でちょっとだけオアシスですね。
    ジュールは自分の気持ちをセリフで吐露することがほとんどなく、愛しているという言葉も使ったことがないのですが、ここではじめて色んなことを口に出せました。

    しかし最後の一行、不穏ですね。
    この先はジュールの内面に起こる葛藤を描きたいと思っています。

  • また、このラストが効く。
    もう落とし穴だらけですね。

    作者からの返信

    関川さん、コメントありがとうございます。
    落とし穴(笑)たしかに不穏なひと言ですね。このあたりからはジュールの内面の葛藤を書いていきたいと思っています。

  • 柊圭介様

     え! 今が一番幸せな瞬間なんですか!
     そんな(ノД`)・゜・。
     ジュールとヤンのお互いへの気持ちが生きる砦。本当に尊いです。

    作者からの返信

    ギヨームの保護がなくなって、一からやり直さなければいけないジュールにとって、現実はすごく心許ないものですね。それは恋人と一緒にいるから解決するものでもなく。でもヤンへの気持ちだけが自分の拠り所になっている、それを伝えられたことは、純粋に幸せだと感じる貴重な時間だったのだと思います。

  • ひとは何故、生きるのか。常々頭を悩ます永遠のテーマですが、この物語はその問いに肉薄します。
    ひとは何かを想い、行動する。
    でも、行動による結果を、想いの果てに至る未来を、見届けることが生きることなのだろうか?
    ・・違う。
    私は初めて、そう至りました。
    想いの発露。想いが発するその瞬間を、感じ受け止め見詰めることこそ、生きることの意味だったのではないか?

    全ては変わりゆき失われていく。
    しかし、点滅しつつ発せられる想いは、その瞬間瞬間、まごうことなき真実だ。

    この先を読むのが恐ろしくてなりませんが、しかし、ジュールとヤンとが互いに想ったその心は、そのとき、永劫なるものに真実達したのですから。

    それを胸に。覚悟をもって最後まで読ませて頂きますっ!

    作者からの返信

    たくさん読んでくださって本当にありがとうございます。
    「なぜ生きるのか」そのような高尚なテーマを書けているかどうかは甚だ怪しいのですが、そんな風に感じて頂けたら光栄すぎます。
    結果や未来を見届けることではなく、想いが発するその瞬間が真実、という言葉に納得しました。ものごとが変わっていくのはどうしようもないですし、ある日突然世界が変わることもあるわけで。確かなことは何もないんだというとどうしても悲観的に思えますが、本当の気持ちがあった瞬間は永遠に真実なんですね。改めて教えられます。ありがとうございます!

  • 自然の息吹が聞こえてくるような素晴らしい描写でした。
    その中で静かに語り合う二人がとても美しい。
    自分の出自は己では変えられない物です。どうやっても逃れられない定めを宿命と言うなら正しくこれがジュールの宿命。
    でも、運命はいくらでも変えられる。その強さがジュールには備わっていると思いたい。

    作者からの返信

    森の息吹を感じて頂けて嬉しいです ^^
    久しぶりの自然の中でジュールの心も少し解放されたでしょうか。
    ジュールにとっての父の存在はものすごい容量を占めていたので、そこを覆されたことはしこりのように残っていたはずです。でも宿命として受け入れざるを得ないことですね。そして運命は変えられる…今のジュールにそこまでの強さがあればいいのですが…。

  • ジュールの最後の砦が『ヤンへの気持ち』だという台詞に改めてハッとしました。
    そういえば、もう随分前のように思えてしまいますが、まだヤンの家に居た頃「君が結婚することになっても、僕は……」という内容のことを言っていましたね。
    ヤンの存在を自分のものにということではなく、『想う気持ち』というあたりが、ほんとに揺るがない尊さだと思いました。

    作者からの返信

    蒼翠さん、読み進めてくださりありがとうございます。
    この部分を分かって頂けるのがすごく嬉しいです。別離の章で言っていたことも覚えていて下さって感激します。
    まさに相手を想う気持ちの方ですね。この気持ちがあれば自分は生きていけるという「揺るがない尊さ」。素敵な言葉、ありがとうございます。

  • 木の枝の鳴った音で枝を捨ててしまったのは、鞭の音を思い出したからなのですね。
    一度目に拝読した時にこれに気づいて、読後もずっとこのシーンが記憶に鮮やかに残っていました。その事実に微かに触れられただけである分、とても強烈に感じます。

    自分から大切な人に向ける愛情だけは、これからも変わらないと信じられる。積み上げたものを何度も失ったジュールにとって、確かだと思えるのはそれだけだったのかもしれないですね……
    こう考えると、人は皆何一つ確かなことなどない中を歩いているんですよね……。

    作者からの返信

    このひと言、残すか削るか迷ったものでした。同じ事柄が昔と今とでは違って感じてしまうってありますね。世の中には「余計な経験」をしてしまうことが多々あると思います。楽しい時間の中に一瞬の影が差す部分を入れておきたかったです。前回読んで下さったときから感じ取って下さったんですね。丁寧に読んで頂けることが何より嬉しいです。

    ジュールの砦はヤン自身ではなくてヤンへの自分の気持ち、というところを書いておきたかったです。モノや人は失くすけど、自分の気持ちは自分が守る限り失くさないですもんね。
    ジュールはあまりセリフで感情を吐露しませんが、ここで言わせたいことがしっかりと伝わってよかったです。

    丁寧なコメントにいつも感謝しています。

  • 木漏れ日の中のふたり、絵になりますね。
    街はジュールの身体と精神を摩耗させました。
    本当にヤンは「今のジュールに必要なもの」を随時、分かっているかのよう。

    自然の中で心ほどけたジュール。ジュールを愛しみ「君は幸せな子どもだよ」と、存在を肯定するヤン。
    『迷える者①』には内容が、想いが、殊更ぎゅっと詰まっているようで感動が溢れます……後程、もう一度、伺います。

    作者からの返信

    宵澤様、
    心ほどけた、という言葉がしっくり来ますね。わだかまっていたものや思わず吐露した心情を肯定の言葉で答えてもらえるのは、何より心強かったのではないでしょうか。