ジュール、何もかもに絶望していつかこんな日が来るような気がしていました。
しかし、その突破口がフレデリックとは。
あまりにも卑劣なやり方!
もう目の前に現れないで欲しい!
どこまでジュールを苦しめたら気が済むのでしょう。
フレデリックだって虚しさが残るだけではないのかと……。
エドガーがいてくれて良かった!
同室の彼がいい人で良かった!
ジュール、死ななくて良かった!
作者からの返信
今のジュールにはまさに「袋小路」という言葉しかありませんね。フレデリックの卑劣さと、歪んだ人間性の一番極端な部分がこのシーンに出ていればと思います。
「虚しさが残るだけではないのか」というのも鋭いご指摘です。僕もそう思います。ただ極端な思考に走っている者はそこが見えなくなっていることもあるのではないかと……
エドガーがいてくれて本当によかったです。
このあたりの章ではエドガーの存在に書く方も助けられました。
たくさん読み進めてくださって、気持ちの伝わる丁寧なコメントに感謝です…!
ジュールの魂の叫び。胸が潰れるようです。
地獄のような日々から抜け出し、やっと幸せになれたのに……。
フレデリックは何を思って笑っていたのでしょう。プラトニックを語っていた彼の本性。人間のおぞましさ、醜さを見せつけられるようです。
けれど、愛をくれたヤンや他人のために必死になるエドガーのような人間もまた、います。
この世界は混沌と絶望に満ちているけれど、それでも光が射す……。
と、思いたいです。ジュール……(´;ω;`)
作者からの返信
プラナリアさん、
この章の最後がここまでの一番苦しいところだと思っているので、読んで頂くのにすこし気が引けるのが本音です。にもかかわらずこのような真摯なコメントをくださり、ありがとうございます。
フレデリックの本性が表れる場面、まさに彼の笑っているところにおぞましさ、醜さを込めたかったです。
でも袋小路の中にもエドガーのような人間が必ずいるのでは、と思います。
今のジュールには絶望しかありませんが、生きていれば、自分を思ってくれる誰かに出会えることもあるはず……ですよね。
同室になったエドガーの存在がジュールにとって吉と出るか凶と出るか、ドキドキしていましたが、こんな風に寄り添ってくれてホッとしました。
どこか達観したところのあるエドガーの生き方を見て、ジュールはどんな風に何を感じ取っていくんだろうと、今はまだ想像つきませんが、少しでも救済になればいいなと祈るばかりです。
それにしてもフレデリック……やっぱり現れましたね。
来る気がしていました。様子を見にではなく、自分の楽しみの為に。
空間的にも精神面でも『袋小路』ですね……
作者からの返信
蒼翠さん、読み進めて下さりありがとうございます。
エドガーの達観した様子は、それだけの辛酸をなめてきたという裏返しですね。この切羽詰まった状況で彼の人となりというか、人間らしさが出ていればと思います。
フレデリックのすること、読まれていましたか。
袋小路、まさに仰る通りですね。
いつも章の意図を汲み取って下さり、ありがとうございます。
編集済
生きる悲しみ、つらさ。感情を揺るがす大波に堪え忍ばなければいけないほどに、世界は残酷な一面をもっている。どこにも逃げられない。
最初から不遇な境遇の中で生きていたほうが割り切れたのでは?と思えるほどに、優しい思い出や愛おしい過去の時間が苦悩の原因になったりする。
自殺をしたトマ。恋をしなければ生きていられたでしょう。心を押し殺し、死んだように生きる。けれど彩りのない灰色の人生って、寂しい。一瞬でも心に情熱が灯ったのなら、生きていた価値があったのでは?と思ってみたり。
たゆたえども、沈まず。
その言葉が思い出されます。
作者からの返信
エドガーの話にしか出てこないトマに思いを馳せて頂きありがとうございます。この少年の最期と、章の最後でジュールがすることをシンクロさせてみたかったのもあります。「一瞬でも心に情熱が灯ったのなら、生きていた価値があった」優しいお言葉です。
喜びを知ってしまったからこそ苦しみが倍増してしまう、いっそそんな喜びは知らない方がよかったと思える、そういうことありますね。エドガーの言うように割り切って生きられる人間などどれぐらいいるでしょう。
「たゆたえども沈まず」を想起されるとは、やはり鋭い感性をお持ちなんですね。そこまで深く読んで下さることに改めて感謝ですm(__)m
フレデリックの卑劣さが光る(?)回でしたね。絶対に自分は手を下さないという。
こういうタイプがどんな惨めな落ちぶれ方をしていくべきか、想像すると心が滾ります。私も大概だ。
エドガーが好きです。世間擦れしていて小器用で、自分の境遇も割り切っていて。
だけど全てを諦めた訳ではなく、生きるための意思を感じます。
エドガーがいてくれて良かった。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
卑劣さが光っていたなら何よりです。惨めな落ちぶれ方、して欲しいところですね。でも現実ってそうしてくれないんですよね。
エドガーのこと気に入って頂けて嬉しいです。個人的にとても好きだったキャラで、この辺りの章も彼目線で書くことで助かったことが多いです。
「いつまでも純粋でいるのは命取り。割り切れない奴が負ける」……現実は、そういう場所ですね。鈍感に、心穢れ、割り切ることができたならば、死を望まずに居られるでしょうか。ジュールは純粋な上に繊細だから、本当に……(>_<)
フレデリック!!と、今度は呼び捨てたくなる章でした。スミマセン。熱が入っておりましたm(__)m
作者からの返信
宵澤様、
そうですね、ただ、そう言っているエドガーにさえ割り切れないものがある。大半の人はその矛盾を抱えながら生き延びているんじゃないでしょうか。
フレデリックには人の持つエゴイズムを露骨に表してもらいましたが、これだってもしかしたら常にどこかで起こっていることだと思えるのです。
覚悟してきたんですが、ジュールがあまりに可哀想で、胸が痛いです(/_;)
フレデリックは地獄に落ちろ。
エドガー始め館にいる少年たちも、傷つきまくっている心を押し殺して、ここでの生活に慣れていくしかなかったのでしょうね。
慣れることのできないトマのような子は死を選ぶ……そこにジュールも加わらなくて、良かったと言っていいのかどうか。
生きながら殺されるような、死より辛い日々がいつまで続くのか……。
売春は最古の職業と言われるくらい、人類がいる限り未来永劫なくならない仕事だと思いますが、生きるために選ばざるを得ないのと、騙されて連れて来られるのは全然違いますよね。
フレデリックは地獄に落ちろ。
柊さんの抑えた描写が生々しくて、少年たちの翳の差す表情や食事時の目配せなんかが、目に浮かんできます。辛いけど先が読みたくなってしまいます。
作者からの返信
鐘古さん、コメントありがとうございます。
子どもを搾取する大人とか、それで甘い汁を吸う大人とか、今でも続いていますね。
エドガーは飄々としていますが、彼の中のなにかも死んでいると思います。それは他の男の子たちもそうかも知れません。
ジュールは逆によくここまでまっとうな神経を持てたと思います。でも、人を好きになってしまったら弱みができる。そこに付け込むフレデリック。呪詛のお言葉2回もありがとうございます。
彼はいったん退場します。その代わり違う人が登場します。
先が読みたくなるってすごく嬉しいです!どうか見守って頂けますよう。