たかが本一冊。されど本一冊。その本には深い意味がある。
ベッドに転がったその本を目にした時、コンスタンがヤンの傍に横たわるイメージを持ったジュールの気持ちを思うとなんともやるせ無い思いに駆られました。印象深いシーンでした。
自殺は残された側には計り知れない傷を作ってしまいます。死んだ者が負った傷と自分に付けられた傷と二つの傷を背負って生きていかねばなりません。
私の小説も似た境遇を描いているので、その事について深く考えさせられました。
作者からの返信
mono黒さん、いつも丁寧なコメントを下さりありがとうございます。
たかが一冊の本にものすごい存在感があるというイメージを持たせたくて、コンスタンが傍らにいるところを想像させました。本だけでなく、オブジェが持つ重たさってあると思います。
残された側は仰る通り両方の傷を背負うことになりますよね。でも生き続けなければならなくて。御作にも共通するものがあるのですね。ますます興味が深まりました!
編集済
胸が痛いです(ノ_・、)
ジュールとヤンの、やるせなく重く苦しい気持ちを想うと、あの幸せだった日々さえ幻に思えてきてしまいます。
開く勇気のなかったランボーの詩集。それを再び開いたヤンの心の内には、コンスタンとの消えることのない過去がある。思い出の中に入ってしまったヤンを見つめるジュールの気持ちを思うと、胸が痛みます。
こんな切ない話を書いたのは、誰なんですかー!!出てきなさーい!
まだまだ読み終わりそうにないので、先にお星さまつけておきます。レビューは最後に書かせてもらいますね。
作者からの返信
打ち明ける側もそうですが、聞かされる側にも酷ですよね。どう受け取ればいいか。
ランボーの詩集に着目して下さりありがとうございます。たった一冊の本に色んなものが凝縮して詰まっている、それを見せつけられるジュール、つらいですね。こういう思いを見せつけられると、近づいたはずの人にフィルターがかかったように感じるのではないかと想像しました。
ああ、そしてすでにお星さまをつけてくださったんですね、ありがとうございます。何度も言ってしまいますがここまで色々汲み取って丁寧に読んで下さることが本当に嬉しいです! どうか遊井さんの楽なペースでお付き合い下さい。ありがとうございますm(__)m
天性の明るさを持っているヤンと思っていましたが、こんな凄絶な過去があったなんて……。
かつての恋人の死は、まさに呪いをかけるようなものですね。
ヤンとジュールはお互いにこの呪縛に苦しむ事になるんですね。
いつの日か、この呪縛から解き放されて、二人に笑顔が戻る日が来るといいのですが……。
辛いですね。
作者からの返信
ヤンの話は重かったですよね。こんな形で恋人を失くしたなら、なおさら自分を責めるのではないでしょうか。
明るさのうらに同じぐらいの影がある、ということも人間ならあるかもしれません。そこを乗り越える光があるのもまたヤンの強さなのですが、そんな彼でも少し堪えたようですね。