第二の両親からの声援

 次の日。帰宅をするため荷物をリュックの中に着替えとかゲーム機を詰め終えていた。

 玄関で靴を履いているとお袋と親父が顔を見せてきた。

「海斗。元気でね」

「体には気を付けてな」

「ありがとう」

 玄関の扉を開けるとおじさんが車を出していた。

「それじゃあ乗ってくれるかい海斗くん」

「はい」

 後ろの席に座りシートベルトをすると前と同じ立ち位置で玲の隣だった。

 すると玲が側の方から梓が手を振っていた。

 海斗と玲は梓に手を振るとそのまま車を走らせて行った。

 

 アパートに着き玲が降りた。

「よいしょ」

 続けて俺も降りようとしたらおばさんが手招きをしてきて止めた。

「ちょっと海斗くんいいかしら」

「え? はい」

「この辺にスーパーってないかしら? ちょっと買い物したいから海斗くんにも荷物を運ぶのを手伝って欲しいんだけど。どう?」

 おばさんは首を傾げていた。

 断る理由はないここまで送ってくれたんだし荷物運びで良いなら。

「もちろんです」

「ありがとね。玲。ちょっと海斗くん借りてくね」

 玲も頷いてスーパーの所まで案内し車を止めた。

「じゃあ行きましょう」


 そして買い物し終え荷物を車に詰めた。

「あぁ海斗くんこの後時間があるかしら。少し話がしたいの」

「話し? はい、大丈夫ですよ」

 なんだろう話って。

「少しケーキとかご馳走したいからそれも道案内良いかしら」

「はい。わかりました」

 そしてまた車に乗り近くのカフェに移動し席に座ってた。

 テーブルの上にはおばさんがショートケーキで海斗はブルーチーズ。おじさんはコーヒーを頼んでいた。

「それで話って?」

 すると二人揃って頭を下げていた。

「ありがとうね」

「え? いやなんで頭を下げてるんですか?」

 顔を上げると二人とも笑っていた。

「いや、玲の前だとちょっと話し辛くなってね……」

「どうゆう事ですか、おじさん?」

 顔を指でポリポリとかいていた。

「いや……本当にね、嬉しんだ。娘がこうして彼氏を紹介してくれて。でも父親としてはまだ娘だから旅立つのは早い気はするんだ……。でも海斗くんなら玲と一緒だと楽しそうにしてる。そう任せられるんだ」

「おじさん……」

 その表情からはまだ玲は娘なんだという戸惑いの複雑な表情を読み取れた。

「だから海斗くんどうか娘のことをよろしくお願いします!」

 そしてまた二人とも頭を下げていた。

「もちろん玲は必ず幸せにしてみます」

 この誓いは玲を彼女にするときから決めていたことだ。

「ありがとう海斗くん。もし何かあったら僕たちを頼って欲しい。君のお父さんでもあるから」

 そうおじさんが言うとおばさんも小さく頷いていた。

「おじさん、おばさん……。ありがとうございます」

 海斗は頭を下げた。

 これから玲を幸せするという誓いを再び込めて。

 それから玲の昔話をしながらケーキを食べ終え海斗はアパートに送られた。

 するとおばさんが降りてきてビニール袋を渡してきた。

「はい。良かったら食べて」

「え!? 良いんですか……」

「良いわよ話を聞いてくれたお礼だから」

「ありがとう。おばさん……」

 おばさんは手を振って車を乗って走っていった。

 玄関を開けると玲が驚いていた。

「え? どうしたのこれ」

「おばさんたちがくれたものだよ」

「へーお母さんが……」

 じっと袋を見つめていた。

「今日の晩ご飯はカレーで良いよね?」

「もちろん玲シェフの腕なら信じられる」

 すると玲の顔が真っ赤になっていった。

「もう、恥ずかしいこと言うんだから……。待ってて美味しいの作るから」

 玲がキッチンに向かい料理を始める。


 その晩のカレーは本当に美味しかった。

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