幼馴染とデート③

 色んな店が並んでいたが海斗が目に入ったのはパスタ専門店とハンパーグのお店二つだった。

「なあ玲。パスタとハンバーグ、どっちが良い?」

 玲は速攻で手を上げた。

「にく!」

「それじゃあ行こうか」

「にく、にく、にくにーく」

 ハンバーグ屋に入りまだ映画の感想を言っていると頼んだ玲のチーズハンバーグと海斗の大根おろしハンバーグが届いた。

「「いただきます」」

 手を合わせおろしハンバーグを口に入れるとハンバーグの油と大根の辛みと醤油のしょっぱさがシャリシャリとして噛めば噛むほど玉ねぎの甘みが出てきてうまい。

「このハンバーグ美味しい!」

 玲の顔が幸せそうだ。

 美味しそうに食べるな。

「なあ、そっちも一口貰ってもいいか?」

 玲は頷いた。

「良いよ」

 一口だけフォークで刺して自分のところに持って行く。

「食べたらほっぺが落ちますぜ旦那」

「なんだと……」

 チーズの上と中にサンドしてコクがハンバーグと合って美味い。

「チーズうま!」

「ね、今度作ってみようかな?」

「良いんじゃない。玲の料理美味いし」

「ありがとう」

 俺のところのハンバーグを掴んで食べた。

「さっぱりして美味しい」

 ハンバーグとたらふく食べ。玲はアイスを買ってベンチで食べていた。

「あま〜!」

 昔から冬でもアイス食べているんだよな玲って。

 一回「寒いだろ」と答えたら「普通だよ」と笑顔で返された。

「あれだけハンバーグは食べたのにまだ食べれますね。お嬢」

 玲は視線をそらした。

「あれですよ、海斗青年。甘いものは別腹ですよ」

「いやこの時期にアイスって……」

 すると頬っぺたを膨らませていた。

「何言ってるの? 今の時期だからこそ美味いんだよ。海斗も一口食べてみればわかるよ」

「そうか?」

 うんうん。と頷いている。

「じゃあ一口な」

 差し出されたアイスにかぶりつく。

「ん~」

 美味しいが……この時期には合わないな。

「ないな普通に」

「え〜?」

 不適されながら食べ終えた。

 また、腕にしがみついてぶらぶらと歩いて行った。

「あ、ワンコ!」

 犬がゲージに入っていてる動物のいる方を指さしていた。

 玲は犬とか猫が好きなんだよな。

「見に行こうよ海斗! 猫がいるかもしれないよ」

「ウソ! マジで!?」

 猫がいるなら見に行かないと……。

 ペットショップに行きガラスケース越しに動き回っている子猫をみていると癒される。

「可愛いな」

「ね~。ペットオッケーのところに住んでお世話したいね」

「だな。猫だらけの家に住みたいわ」

「ふふっ」

 すると玲が笑っていた。

「ん? なに」

「いや海斗。猫好きだなって。覚えている? 昔さ、猫を拾ってきて少しだけお世話したの」

「……覚えているよ」

 小学生3年の頃子猫がよろよろになっていたのを玲と一緒に保護した。

「海斗、親に内緒で牛乳とか持ってきて世話とかしていたよね」

「そうだな。玲も煮干しとか一生懸命交代で見ていたよな」

 けれど、その後脱水症状で子猫は亡くなってしまって近くの神社で埋葬してあげた。

「あの子。喜んでくれたかな……」

 玲が一番面倒を見ていたよ。

 海斗は玲の頭を優しく撫でた。

「もちろん。幸せだったよきっと」

 玲は小さく頷いた。

「……うん。ありがとう」

 

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