プレゼント
クリスマスが近くになった日にち町は段々と賑わってきていた。
海斗達は帰り道。食材の買い出しでスーパーに向かった。
「凄いね」
「だな。ツリーとか綺麗だ」
一部の家を見てみるとクリスマスツリーに色んな配色の豆電球が光り出していた。
「もう、クリスマスだね」
「速いな」
スーパーに着き店内に入るとすでにクリスマスソングが流れていてチラシにはケーキの受付募集と書いてあった。
「あ、ケーキの予約していない」
「急がないと頼めないんじゃないか?」
「だね」
海斗と玲は急いで注文をしてなんとかセーフだった。
買い物を済ませて海斗の家でシチューを作りテーブルに並んでいた。
「「いただきます」」
手を合わせ二人して食べる。
「良かったね。ケーキの受付出来て」
「だな。玲もやったことないとは知らなかった」
店員さんで受付をするとき玲があたふたとしていたから驚きだった。
「まあ、去年はお母さんがやってくれたから初めてで緊張した」
「ははっ。お蔭で可愛い姿も見れたけどな」
「もー」
顔を膨らませて本当に可愛いな。
あ、そうだ気になることがあったんだ。
「そういえば今年のプレゼントは交換って言ってたけど一緒に買いに行くのか?」
「あーそういえば。そう言っちゃった。交換したいなって思ったんだけど一緒に買いに行く? その場で交換しちゃいばそうなるかもだけど」
「その場で買ってもいいけど……」
交換とは賛成だし出来れば玲に驚いた顔が見たかった。
「お互いバラバラで買って渡すにしよう。そっちの方が面白みもあるし」
玲は手を上げていた。
「賛成! 面白そう!」
「よし。決まり」
そうしてプレゼントは別々に買うことになった。
◇
次の日。
海斗はデパートでプレゼントになりそうなのを探しに回っていた。
「何かないかな……」
店を覗いて見ても玲が喜びそうな物がピンと来ない……。
「玲って何か欲しがってたものあったっけな……」
記憶の片隅のはこれが欲しいって言ってたものはなかった。
「普段料理してくれてるから調理器具とかか?」
いや。わからない物を送っても困るかもしれないし。いつも使ってくれるものか。食べ物にすべきか……。
う~ん困る……。
「離して!」
歩いてると向こうの方から騒がしい声が聴こえてきた。
「いいじゃねぇか。どうせクリスマスも暇なんだろ?」
「俺らと遊ぼうや」
「離して!」
男二人組に女性がつか――!
「玲!」
目の前に玲が二人組に捕まってる。急いで助けないと!
海斗は玲のところに向かい男の手を掴んだ。
「離してくれませんか? 俺の彼女なんですが」
玲が驚いてこっちを見ていた。
「海斗!?」
すると男が睨んできた。
「あ? 彼氏……。ははっ!」
男は笑ってきた。
「こんな冴えない男が彼氏? バレバレなんだよ邪魔だ」
すると玲が掴んでいた手を振り払い。俺のところの後ろに隠れた。
「私の彼氏だから! これ以上海斗の悪いところ言うと警察に通報するから!」
「……ですから。彼女から引いてくれると助かるんですが?」
男たちは嫌な顔をしていた。
「はぁ? 意味わからねえし行こうぜ」
「ああ……」
男たちはその場を去って行った。
「……はぁ。疲れた」
玲はその場で座り込んでしまった。
「大丈夫か玲?」
「うん。ありがとう海斗」
喫茶店に入りケーキを食べていた。
「あーイライラする!」
「まぁまぁ。落ち着けって」
「だって海斗の事冴えないって言ったんだよ! 見る目がないじゃない本当に!」
海斗が食べていたチーズケーキを差し出しなんとか収めようとしていた。
「まぁまあ良かったよ。あの場に居合わせて」
「海斗はプレゼント探し?」
「まあな。玲もか?」
「うん。そうなんだけど……。イライラする」
また。変なのに絡まれたらいやだな。
「なあ玲。一緒にプレゼント探しに行かないか?」
玲はチーズケーキをペロッと食べ終え首を傾げてた。
「え? 一緒にいたら分かっちゃうからバラバラで買うんじゃないの?」
「んーそうなんだけど。さっきみたいのが居ないと限らないし。玲が欲しい物が有ったら俺が店の外に出て何を買ったかわからなくするってのはどう?」
「ん? それだと。海斗が欲しい物の場合は私が店に出るってこと?」
「そうそう。それでクリスマスに渡せば良いかなって」
玲は頷いた。
「いいねそれ! 初めからそうすればよかった」
「よし。行くか」
喫茶店を出て二人して店を入ったりしていた。
「あ、海斗。欲しいのあったから店に出ていて!」
「了解」
数十分後玲が買い物を終え海斗も次に買い終わった。
「クリスマス楽しみにしててね」
「もちろん。こっちも楽しみにしててな」
選んだプレゼント。玲が手袋を気に入ってくれたら嬉しいな……。
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