水族館デートで恋人繋ぎ再挑戦
次の日曜日。いつもの場所で海斗は待っていた。
「おかしなところはないよな……」
前髪を掴んで真っすぐに整えていると玲がこっちに歩いて来るのが見えてきた。
「お待たせ海斗」
「おう、じゃあ行くか」
「ほーい」
二人して水族館がある隣町まで電車に乗って目的の場所に着く。
「着いたね水族館」
「楽しみだ」
チケットを買って、玲が腕にしがみ付く。
「じゃあ、レッツゴー」
中に入ると沢山の魚が水槽の中で泳いでいた。
「わぁ! 綺麗」
「本当に……」
暗い照明の中で魚が水槽の中で輝いて泳いる姿は神秘的と言える。
先を進むとフグを見つけた。
「おお、フグ」
急に体全体を威嚇で膨らませてプクプクと泳いでいた。
「ねぇねぇ海斗」
玲が服を引っ張てきて頬を膨らませていた。
「フグの真似」
さっきのフグと本当に似ている。
「あははっ! 似ている」
頬を触ると柔らかい。
「海斗もやってみて」
口の中で精一杯空気を膨らませて玲と同じように頬を膨らませる。
「どぉ?」
すると玲が笑っていた。
「あははっ! 似ていない」
「何だと」
笑ったバツとして優しく肩を突く。
「お返しに突っついてやる」
と、逆に玲が突っついてきて胸に当たり少しじゃれながら違う場所に向かった。
「あ、クラゲ」
玲が指をさす方にクラゲがプカプカと浮きながら泳いでいた。
「綺麗……」
「本当にな。毒があるなんてわからないな」
「ね、足の方に毒があるんでしょ?」
「確かだけど。トゲがあってそれに魚とか食べるんだった気がしたけど」
「そうなの? プレートの方には魚とプランクトンを食べるって書かれてるよ」
プレートを見て見るとプランクトンと魚も食べると書かれていた。
「ホントだ」
クラゲがもう一匹現れてきた。
「あ、増えたよ」
二匹で泳いでいるとなんだか恋人みたいだ。
「良いね。楽しそう」
「だな」
しがみ付いていた腕を引っ張ってきた。
「ん? どうした」
玲の方を見ると顔を赤くしていた。
「ねぇ海斗。その……こ、恋人繋ぎしてもいい?」
その瞬間。胸の鼓動が早まった。
「おぉ……どんとこい」
一旦落ち着かせようと自分の胸を叩く。
そう、前のは慣れてなかったからだけど、今は出来そうな気がする。
玲の手を握って出来るだけ指を絡ませた。
「……」
二人して無言になってしまい視線を外してしまう。
あぁぁぁぁ!
心の中で叫んでいた。
もう言葉が出ない。頭の中が真っ白だ。
玲の手が動いただけで体がビクッと反応してしまいさらに鼓動が加速する。
「……」
玲がこっちに視線を向けると笑顔で微笑んでいた。
「えへへ」
彼女の笑顔を見てるとこっちまでニヤケてしまう。
「あはは……」
それから色々な魚を見て回るが手を繋いでいることに集中してしまう。
「その次はイルカショー見よう」
「りょ、了解……」
鼓動がドキドキとしながらイルカショーのステージに向かった。
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