イルカショーの帰り際にキス
玲と海斗はイルカショーに座ると丁度始まって司会のおねいさんが出てきた。
「みなさーん。こんにちは! ようこそイルカショーへ!」
おねいさんが手を振ると見に来ていた子供たちが大きな声で返事して手を振っていて俺達も手を振った。
「はい! それでは皆さんお待ちかねのきーくんとななちゃんです」
おねいさんが手を上にあげると二匹のイルカがひょいっと水辺から顔を出していた。
「可愛い! ねぇ海斗イルカ可愛いよ!」
繋いでいる手を何度も上下に揺らしてくる。本当に楽しんでるな。
まあ、さっきまでのドキドキは大体は落ち着いている。
「確かに可愛いな」
そう愛くるしいまぶたが可愛く鳴き声も「キュッ、キュッ!」と言っていてそれがまた心をくすぐってくる。
「それじゃあななちゃんの盛大なジャンプしますよ」
おねいさんが手で指示すると一匹のイルカがプールの底を深く潜る所が水槽越しのガラスから見れてもの凄い凄かった。
そしてそのスピードのまま上のほうに上がっていき宣伝通り盛大にジャンプし天井に吊り下がっているボールの口が当たった。
本当に凄いのは6メートルあろうの高さまでジャンプしていたってことだ。
「おお!」
「凄いね……」
そして水面の方に戻った衝撃で水しぶきが盛大に飛び散り水槽からこぼれていた。
前の方の全席はプラシチックのチェーンで座れないようにしていたからお客さんは誰も水にはかかってはいなかった。
もし、この寒い日に水を被ったら風邪を引くな。
そうやって色々な技を披露してあっという間に時間が過ぎていった。
「それではみなさん! これでイルカショーは終わりにします! またねー」
お姉さんが手を振ってその場を去って行った。
次々とお客さんが立ちあがり移動していた。
スマホの時間を見てみるともう12時半になっていた。
「お昼にしようか」
「うん」
俺達は水族館を出て近くのパスタやに入り俺はカルボラーナと玲はホウレンソウのバター醤油炒めのパスタを頼むと10分ぐらいでテーブルの上に並べられていた。
「おいしそう!」
「ああ……」
白いソースがパスタにかかっており卵黄が光輝いていて見てるだけでよだれが出てくる。
「いただきます」
手を合わせてフォークでまずは黄身を割ってからくるっと一口サイズに巻し口の中に方へと
「……ん!」
ホワイトクリームと卵黄がとても濃く胡椒が追い打ちをかけるように口の中で叩きつけてきて。それがまた癖になる。
「美味い……」
すると玲がこっちを見ていた。
「ねえ海斗様。海斗様。一口くれませんか?」
「良いよ。俺も頂戴。玲さん」
玲は頷いてフォーク一口に巻いてこっちに差し向けてきた。
「はいあーん」
「あーむ」
食べるとバターの濃い味わいが先にきるとほうれん草と醤油のシャキシャキとしょっぱさが後にきてこっちのカルボラーナの濃厚さよりさっぱりとしている。
「どう?」
「ん、美味い。なんかこう丁度いいしょっぱさだよな」
「ねー。これに選んで良かった」
お返しにこっちも巻いて差し向けると玲はパクっと食べよく噛んでから飲み込んだ。
「あーこれもいいね」
「な」
そしてさっきのイルカショーと魚の事を話しあっという間に時間が過ぎていった。
電車に乗りいつもの待ち合わせ場所に差し掛かった。
「じゃあね」
「ああ」
玲に手を振り家に向かう。
「あ! 海斗」
「ん?」
一度振り返ると玲が顔を赤くしていた。
「ねえ別れる前にキスしよう……」
「……え」
あまりの突然の出来事に後ずさりしてしまう。
キス……。玲と……。
そんなこと思ってしまうと心臓がまは早まり玲に聞こえてしまうんじゃないかとドク、ドクと鳴り響く。
「よし」
俺は中腰になりながらゆっくりと目を閉じていると玲も目を閉じた。
そして口に唇のほうは湿っていて熱く。鼻の呼吸だけがしっかりと耳に聞き取れた。
「んん! あ、ふぁ……」
お互いゆっくりと離れて目を開けると玲の顔がさらに赤く、真っ赤になっていた。
唇の方には違和感があって湿っているが自分のとは違うぬめりだった。
あぁ……これが玲のキスの味なのか……。
そう思うと鼓動がさらに加速していく。
「……じゃあ、ね。海斗」
「お、おお……」
玲は手を振ってその場を去って行くがスキップしながら行く姿にこっちがニヤけてしまう。
「……あぁぁぁぁ! ヤバイ」
これが俺が意識していた中で初めてのファーストキスだ。
心が嬉しくなってしまい興奮してしまう。
頭の中がボーとしながら帰り本当に布団に包まりながら左右に転がっていき。やがてベットから落ちてしまう。
「これがキスなんだな……」
頭の中で玲とキスしたのを何度も思い出してしまいもう気づけば朝の夜を空けいたけど、それを知るのは三十分後だった。
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