幼馴染とお風呂

 玲のアパートに着き部屋に着いた頃は海斗は全身濡れていた。

「海斗も全身濡れちゃったね」

「そうだな……」 

 玲と一緒に帰っていたら車が通って水溜まりの上に通ったからその衝撃で玲を庇ったら全身びしょ濡れになってしまった。

 それにしても寒い……。

「ねぇ海斗。寒いし一緒に入らない?」

「そうだな。一緒に……」

 一緒に?

「……え」

 玲の顔が段々と赤くなっていき手をあたふたとしていた。

「ご、ごめん。昔の癖で!」

「い、いや大丈夫……」

 小さい頃だけど玲と一緒に入ってたからそのノリで俺もつい言ってしまった。

「玲が先に入って良いよ」

 すると玲が顔を膨らませていた。

「だーめ。海斗が庇ってくれて私は濡れてないんだから海斗が先で良いよ」

「だったら玲が先に入って良いって、俺は大丈夫なんだし。風邪がぶり返したら大変だろ」

 玲は引き下がらなかった。

「私より海斗が先で良いって」

「玲で良いって……へくしょん!」

 寒っ! 鼻がムズムズする。

「ほら、やっぱり海斗が――くしゅん!」

 玲は口元に手を当てくしゃみをしていた。

「玲が先で良いって」

 すると玲がため息を吐いていた。

「ここで二人で言い合いで二人とも風邪引くかもしれないし。本当に一緒にお風呂に入ろ。どうせ海斗の裸見たことあるんだし」

 確かに本当に風邪を引くかもしれない。

「そうだな」

 まあ、幼馴染だし。大丈夫だろう……。


 ◇


 数分後、海斗は脱衣所にいた。

 大丈夫じゃない!

 心臓がバクバクと言っていてさっきの寒さがウソのようで熱い。

 すると先に入ってる玲が催促をしてきた。 

「は、早く入ってきてこっちまで恥ずかしいから!」

「あ、あぁ……」

 向こうの方に玲が裸に居るって事が男の俺として心臓の鼓動が頂点になっている。

 こうなったらやけだ!

 海斗は服を脱いで腰にバスタオルを巻いて扉を開けた。

 玲はバスタオルを巻いてその場にいた。

 去年の中三で海に行って水着とかで見ていたから、それでも大丈夫だったのになんでこんなにドキドキしてるんだ!

「じゃ、じゃあ入ろう……」

「了解……」

 湯船に一緒に入るが向かい合わせで恥ずかしさがさらにます。

 すると玲が笑っていた。 

「いやー小学6年生までは一緒に入いたから慣れているって思ってたんだけどね」

「そうだな……。小さい頃はよくお泊りしてたな」

「ね。懐かしいなー」

 小さい頃お互いの家に遊びに行ってはよく布団とかで一緒に並んで寝てたっけ。玲は寝相悪かったけど。 

「ねぇ海斗」

「ん? なに」

「いつかで良いから昔みたいに二人で泊まったりとかしてみない?」

「良いけど。本当に泊まるのか?」

「うん。こんな風に昔の事とか話したりしたいし。海斗とこれから新しい発見もしたいなって」

「そうだな」

 確かに昔のことは知ってるが今の玲をもっと知る機会があってもいいかもしれない。

 それにしても泊りか……。12月何かイベントみたいなのだったら。泊まれるんだけどな……。

「うーん。12月でイベント……」

 イベントだとクリスマスとか?

「なあ玲。クリスマスに泊まるのはどう?」

 すると玲の目がキラキラしていた。

「いいね! ケーキとかチキンとか用意したりして。後、プレゼント交換とかしようよ!」

「お、いいな」

 こうしてやる気が出て来た。

「よし! 楽しみになってきた!」

 テンションが高まって立ち上がった。

「あっ……」

「ん?」

 腰に巻いていたバスタオルが取れしまっていた。

「あっ……」

 玲はすぐさま視線を逸らしていた。

「あの……今日のご飯は昨日のおかずで大丈夫ですよね?」

「あ、はい。よろしくお願いします……」

 急いでバスタオルを掴んで風呂を出た。

 その後の晩御飯はお互いなにも言わずの無言となって食べていたのは言うまでもなかった。

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