おせちの材料

 宿題を片付けた翌日。玲が部屋に泊まることになった。

 ピンポーン!

「はい」

 玄関に向かい。ドアを開けると玲が手さげバックを持って挨拶をしていた。

「今日はよろしくね海斗」

「よろしくな」

 手さげバックからチラッと服とかが入っているのが見えた。

「これからどうするか決めよう」

「うん。そうだね」

 部屋にあがりコタツに入ってた。

「あったかーい……」

「どうするか……」

 みかんをいて玲に渡した。

「ありがとう。……そうだね。今夜はなにか食べたいのとかある?」

「食べたいものか……」

 玲の手料理は美味しいからな。それしか言えない。

「なんでも良いよ。玲の手料理美味いから」

 玲の顔が赤くなってきて足を蹴られた。

「もう。嬉しいこと言って……。でも、それだと何を作って良いのかわからないな……」

「うーん。じゃあデートしないか? そしたら今夜の晩ご飯も決まるかもしれないし」

「……っ! そうだね。途中で思いつくかもしれないね」

「じゃあ決まった事だしデートに行くか」

 玲は頷いていた。

「海斗とデート! デート!」

 コタツから出てショッピングセンターに移動した。

「暖かい……」

「暖房は本当にいいな……」

 本当に外は寒すぎる。

「今日は人が凄いね」

「そうだよななんで……」

 上の方を見るとポスターで年末セールと書いてあった。

「そっか年末だからみんな買い置きとかセールとかの買い物に来ているってことか……」

 ん? と、いうことは大変な時期にデートを誘ってしまってこと。

「悪い。年末だってこと忘れてた」

 玲も首を横に振っていた。

「いや、私も年末のことすっかり忘れてた……。ねえ海斗。晩ご飯じゃなくてお正月なんだけどその材料を買ってもいい?」

「ん? もちろん構わないよ」

「それと、なんだけど……」

 玲が顔を赤くしていた。

「それで海斗の部屋でおせちを作ってもいい?」

「もちろん。断る理由なんてないよ」

「ありがとう。美味しいの作るからね!」

 食材の材料を買って玲の部屋に置きにいった。

「ごめんね海斗。部屋に置かせてもらって」

「いいって俺は気にしてないよ」

 袋を床に置いて玲の頭を撫でる。

「ありがとう……。こうして優しいつい甘えちゃんだよね……。ありがとう好きだよ」

「お、おぉ……」

 こうして面と言われて好きって言われると本当に可愛いな。

「俺も好きだよ玲……」

「へええ。ありがとう海斗。今夜はトンカツだから楽しみにしててね!」

「おぉ! 楽しみだ」

 笑顔で肩を叩いた。

「うん。期待しててね。とびっきりの作ってあげるから」

 玲は台所に向かい今夜と昼の準備を始めていた。

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