新年から一緒に添い寝

 大晦日最後の夜。玲がうどんを茹でて持ってきてくれた。

「はい。出来たよ」

「ありがとう」

 隣に座りうどんを食べ始める。

「今ってどんな感じ?」

 テレビでお笑い番組が笑ったらお仕置きするっという毎年恒例のを見ていて。玲が気になりながら料理をしていた。

「ん、今誰かがアウトになった……」

 玲が大声をあげた。

「海斗アウト!」

 いきなりですか玲姫!?

「理不尽すぎる!」

「冗談、冗談……」

 笑いながら肩を叩いてきた。

「本当にケツバットやろうか? ヘイ、ヘイ!」

 箸を置いて両手を握りながらバットを振る真似をしていた。

「お返しに玲にもやるけど。そのつもりなら良いよ」

「嫌! 判定が怖い!」

 と、喋っていたら芸能人がケツバットされた瞬間。二人して笑っていた。

「「あははっ!」」

 玲がお腹を押さえながらゆっくりと深呼吸をしている。

「はぁ……。今年は色んなことあったね」

「そうだな。て、俺の場合はつい最近だけど」

「確かに! 私もだよ。こうして海斗と恋人になれたのが凄く嬉しい……」

「……玲」

 確かに。ずっと一緒の幼馴染とこんな風に恋人になるなんて思いもしなかった。

「これからもよろしくな」

 玲は頷いた。

「うん!」

 また芸人がアウトになって笑いながらうどんを食べていた。


 番組が終わるともう夜中になっていて体が硬くなっている。

「ん、ん~! それじゃあ寝ようか」

「あ、えっと海斗。相談があるだけど……」

「なに?」

 玲が腕の裾をギュッと握ってきた。

「海斗と今晩は一緒に寝てもいいかな?」

「今晩一緒に?」

 玲が頷いた。

「うん! 小さい頃みたいに一緒に寝たいなって。ダメかな?」

「そうだな。一緒に寝るか」

 すると玲が笑顔で照れ臭そうに笑う。

「えへへ。ありがとう」

 そのままベットに横になって玲が腕をくっついていた。

「じゃあ……。おや、すみ……」

 玲がどんどんまぶたを閉じていくとあっという間に寝てしまった。

 本当に料理とか家事とか任せっきりで本当に助かっている。

「ありがとう玲」

 海斗も目を瞑った。

 懐かしいな。こうして泊まった時も一緒の布団で寝たんだよな……。玲の昔は寝相が悪いと抱きついてくる癖があったな。

「……」

 目は瞑っているが眠れはしない。

「ね、眠れな……」

 意識してなかったけど玲の柔らかい胸が腕にダイレクトに来る。それで寝れないかもしれない

「玲って本当に寝たのかな」

 寝たか確かめようと顔の方を向くと横顔がすぐそばにあった。

 うわぉ! 近い、近い、近い!

 本当に顔を近づければキスが出来る距離だ。

 こんな風に顔が近くになる事はある。あるが、いつも、からかいや話し合いで気にしてないがこんなにも顔が近いと意識してしまう。

「……」

 恋人か……。玲がこんな積極的になっていると思わなかった。恋人繋ぎもまだ出来てはいないし。キスだって本当はしてみたいと思っている。

 まだ、幼馴染という気持ちが大きい。

「……今年は出来るだけ積極的にしてみよう」

 玲の頬っぺたを触りながら海斗は寝た。

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