妹と添い寝。前半 玲 SIDE
海斗の部屋で遊んで帰った玲は晩ご飯を食べお風呂に入ってベットで横になった。
「楽しかった」
一年前に遊びに行ってたのになんだか懐かしく感じる。
梓も受験前のリフレッシュが出来たなら良いけど。
すると誰かがノックしてきた。
「お姉ちゃんちょっといい?」
ドアの向こうから聞こえてきたのは梓だった。
あれ? 確かお風呂で入れ替わりで入ってたはずだけど。
「どうしたの?」
掛け声と共に梓が入ってきていきなり抱きついてきた。
「お姉ちゃん。一緒に寝よ」
「それは良いけど勉強の方は大丈夫なの?」
「今日はやる気が無いかな……」
確かに神社行ってゲームを遊んでいたら勉強は良いかなって思えてくる。
「良いよ。一緒に寝よう」
「やった!」
電気を消して肩を並べて天井を見つめていた。
「それで梓は勉強の方は進んでる?」
「うーん……。わからないかな」
少し曖昧な感じの返事だった。
「……そっか」
確かに結果をやってみない限りは受かったかはわからない。
頑張れと励ましは昨日の勉強と神社の時に言ったから良いかなと思えてくる。これ以上応援しても返って裏目に出てしまうかもしれない。
出来ればこれからの事を話して話題を繋げよう。
「梓はどうしてウチの高校に受験しようと思ったの?」
「ん? どうしてって簡単な話だよ。お姉ちゃんとお兄ちゃんが居たからそこに受験を選んだんだよ。知ってる顔だと面接でも通るかなって」
「それは……ないような。あるかもしれない」
「本当! じゃあ、口添えお願いします姉様」
こっちを見ていて悪そうな顔をしていた。
「それじゃあ出世払いで1億になります」
「ノウ! 高すぎるよ!」
梅干しを食べたみたいな渋そうな顔をして口を尖らせていた。
「まあ、お姉ちゃんとお兄ちゃんが居たからって言うのは本当かな。私、二人に憧れていたから」
「え?」
それは初めて聞いた。梓が私や海斗を憧れていたなんて。
「どの辺が?」
「うーん。お兄ちゃんと喋っている時のお姉ちゃんって本当に楽しそうだなって、良いなとあんな風に誰かと楽しそうに喋れたら恋人とか作れるのかなって」
「それなら梓も普通に喋ってるよ」
「それは二人を真似してたからだよ。お姉ちゃんみたいに誰かをずっと好きで居たいとか。お兄ちゃんみたいに話を聞いてくれる人になりたいって思っていたらこうして喋れていたもん」
それは梓の個性だと思う。
「好きって言ってたけど今いる中学で好きな男の子とか居ないの?」
すると梓はすぐ首を振っていた。
「いないいない。恋愛したいなって今年になってからだもん。だから高校はお姉ちゃんみたいに頑張って告白したいし」
「あ、うぅ……」
最初の告白は出来れば早めに告白すれば良かった。
「私は梓の言葉が無かったらもう一度告白しようなんてなかったよ」
そう、あの時梓が背中を押してくれなかったら海斗とこうして会話すら出来なかったかもしれない。
「ありがとね……」
感謝の意味を込めて頭を撫でているけど不思議そうな顔をしていた。
「? なんで頭撫でているの」
「可愛い妹で良かったって事」
梓を抱きしめ頬擦りをする。
海斗と抱きしめてるとは違うあったかさで……梓のは安心出来るあったかさだ。
「お姉ちゃん。好きなのはわかったから苦しいよ……」
「だーめ。もう少し抱きしめられて」
それにしてもあったかい……。
「うぎゅ……」
数分後抱きしめられていた。
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