概要
小さな飛行機は空中で十二回転したあげく、水面に叩きつけられた。
海外出張からの帰りに事故に遭い、気づいた時にはどことも知れない南の島で幽閉されていた南洋志は、年上の少年たち相手にも決してひるまない、誇り高き少女剣士と出会う。現代文明の及ばないこの島は、いったい何なのか。たった一人の肉親である妹・茉莉のいる日本へ帰るため、道筋の見えない冒険の旅が始まる。(全32章、約16万字、6月14日に完結しました)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!不思議な南の島から、妹の待つ日本へと帰るために。
飛行機事故に遭ったミナミは、熱帯のどこかの島で目を覚ます。
そこで出会ったのは、マレー語でジャスミンの名を持つ王女。
ミナミは、ただ一人の妹・茉莉の待つ日本へと帰れるのか?
実は連載中にも読んでいたので、今回、二巡目です。
とにかく最初の一文から、一文一文の表現が素晴らしい。
展開は知っているので、少しずつ味わいながら
再読しようと思っていたのですが、やはり
第4部になると、先へ、先へと読んでしまいました。
ミナミと、妹の茉莉。
アングレック王と、妹のムラティ王女。
王女と、忠臣アディ。
ミナミと、ファジャル。
美しい熱帯の風景と、歴史の激動と、様々な愛の形。
全ての謎が解け糸が収束する…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一通の手紙、一枚の写真。兄と妹、くるおしいほどの愛の物語。
小さな飛行機は空中で十二回転したあげく、水面に叩きつけられた。――キャッチコピー通り衝撃的に始まるこの物語は、エキゾチックな南の島で目を覚ました主人公の一人称で進んでゆきます。
飛行機事故という誰がどう考えても死亡確定としか思えない状況ですから、主人公のミナミも読み手も、ここはどこだろうと考えながら読み進むわけですが……。出てくる言葉、文化、人々の外見などが、まるで東南アジアなのです。
なので、アジア圏ベースのファンタジーがお好きな方にはまず、お勧めです。
主人公のミナミは、日本に残したただ一人の妹を想いながら、日本へ帰れる手段を探っていきます。その過程で、ここがどこで、自分がどう…続きを読む