27 有意義な休暇

この世界にきて初めての休み、と言ってもいままで何度かあったがお金もないしやることもないということでほかの使用人の変わりという具合で働いてただけだ。

ちなみにその分はしっかりと給料として支払われている。その点この職場はかなりホワイトだ。


休日だからといってやることもない、と豚小屋に出入りする近所の住人に話したら、今度(具体的には今日)村で狩りをするから休日が合うなら参加しないか?と誘われた。

狩りといっても貴族の親方様がやるようなものではなく、畑を荒らすシカや馬(どっかから逃げてきて野生化した野良馬というのがいるらしい)を近隣の暇人を集めて狩る害獣駆除というやつ。

ただ「昼飯はでる。終わりには酒もでるぞ」という具合で誘われたので、当人たちもお祭り感覚なのだろう。

休日に倉庫の二階で腐るよりは有意義だし、知り合いが職場の人間だけというのは面白くもない。

そういったわけで参加を決めた。

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