16朝から労働
「あなたが、昨日いらした異世界の方ですか」
「はい。そうです。明日からこの屋敷で働かせていただくということになりまして、よろしくお願いいたします」
「あ、これはこれはご丁寧にどうも」
そんな会話をしたうえで、メイドに聞かれる。
「昨日の夕食はどうなされました?食堂に来ませんでしたが」
「疲れて寝てました。ついさっきまで。おなかがすいたのか太陽がまぶしいのかわかりませんがついさっきおきまして」
そういった彼女はふっふと笑った。
「倉庫の二階の部屋ですよね。あそこ日当たりが良すぎてみんな嫌うんですよ」
「カーテンがないのはまぁ仕方ないとして、日よけの戸板みたいのもないんですよね。不便だ」
そんな話をしつつ、メイドは桶で水を汲んで大きな壺に移している。
「それは?」
「これですか?炊事に水の確保です。屋敷の近くにもあるんですが水の量が少なくて、毎朝ここで汲むようにしているのです」
その壺を小さな台車(というより木製のリヤカーだ。学校の見学で漁港にいった時に見たことがある)に乗せる。おなじ壺がいくつもあるので、次の壺を取り出す。
「手伝いますよ。食堂に行けば朝飯だか夕飯だかもらえますよね?」
そういって、彼女と作業を分担することにした。
僕は壺の運搬。メイドの彼女は水をくむ。朝から労働だ。
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