39 捜索

まずは彼女の家。

出稼ぎからちょうど帰っていた夫とその妻が心配そうに家の中にいた。その人たち曰く、

「うちの子はそんな飛び出していく子ではありません。ドワーフとは違うんです」

とのこと。

ドワーフの子供は無鉄砲というのがこの界隈の認識なのか、エッダも頷いていた。

そこから出て彼女のおばの家に向かう。道はいつも決まっている道を進むという事。

牛車では途中までしか入れない。道が狭くこの世界基準でも舗装されないのだ。

仕方ないので近所の家に乗ってきた牛車を預け歩く

「大丈夫か」

「何とか」

正直きつい。坂でもないのに山道を歩くような感覚だ。

「おばの家にはついて折り返したという事らしいから、いるとしたらこの道沿いじゃないかと思うが」

そういってエッダは道のわきを流れる谷をみる。

意味もなく森に入る事はなくても、意味もなく川に落ちることはある。

なんともつらい話だ。

仕方がないで僕は森の方を見る。

手分けするべきだろう。といっても頭を上げることができないので足元だけだ

「いますか?」

「いないなぁ。人が通った感じもない」

森の方も殆ど、いや。

「これ、子供の足跡じゃありませんか」

よく見ると足跡らしきものが残っていた。

「確かにそうだ。ここで待ってろ」

そういってエッダは森の方に駆けて行った。

おいてかないでくれよ。頼むから


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