24 採用
「一週間過ぎたが、新入りの彼はどんな具合だい?」
ウィバー公はそう、メイド長と執事、そして料理人に聞いた。
時間は昼前、食堂の一角。使用人を自室に呼び寄せるより自分が使用人の方に行くことが多い貴族様は彼くらいしかいない。
「特に問題はありませんね。豚小屋の管理人はよく働く新入りだとほめてました」
「食堂の方は一度朝寝坊をしましたが、まぁそのくらいかな。物覚えがいいし、人の仕事を良く手伝う。時間が過ぎると帰るには遠いとそこでおとなしく寝てます。朝が早いのは辛いや水は冷たくていやだとよくこぼしてますが、それは誰でも同じでしょう。私だって辛い」
「使用人の方も中々好評です。人当たりがよく、出入してる近隣の住人とも仲良くしてるようで、今度予定があったら狩りに連れて行ってくれるという話をしていました」
責任者の評価は上々。その評価を聞いた最高責任者は
「じゃぁキリがいいところで、次の給料日で正式採用ってことでいいかな」
「異議なし」
ということになった。
と後から料理長に聞いた。
「これからがんばれよ。本番だから」
「がんばります」
というやり取りもセットである。
辛いなぁ。でも金貯めなきゃなにもできないし。
食うとこ寝るとこ住むところがあるし、職場環境も良好だといっても、いつまでもここで雇ってくれるとも思えないしなぁ。
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