17 芋らしきもの

「料理長。水汲み終わりました。そしてこっちの人が」

「あぁ、異世界から来た人か?昨日は飯も食わずに寝てたんだってな。呼びに行った奴がおこすのもあれだといって帰ってきたよ」

「えぇ、疲れて熟睡してました。それに朝からまじめに労働したのでおなかすきました」

メイドの代わりに台車をひいて行こう、と思ったのだが台車はまったく進まなかった。

重たいのはまぁなんとかなる。だが考えてみると一応しか整地されてない土地で木製らしき車輪の台車を押すなどという行動はしたことがない。

そういう事をやらせるのであれば経験で上の年下のメイドの方が有能というわけ。

仕方ないので私はメイドの指示に従い、後ろから押したり、壺を下ろして運んだりという雑務。

「水汲みを手伝って頂いたんです」

「そいつはすまないね。朝一の仕事だから人がいないんだ」

そういいながら芋らしきもの(白菜みたいな色味をした芋など私は見たことがない)の皮をむき終わった。

「ちょうどいいし食事にしようか」

そういって皮をむきおわった芋を中に運び込む。

手伝う気力はもうちょっとないよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る