概要
なぜわかったかって?…なに、簡単さ。死んだ被害者に直接、聞いたんだよ。
主人公、朧川六文は死神に魂を預けた刑事。未解決の殺人現場に直接出勤し、死者の声を聞いて捜査をする。仮の魂が入った身体は不死身だが、ポンコツ刑事ゆえに弱点を突かれてピンチになることもしばしばだ。不可解な事件、謎の敵、呑気な後輩。俺の行く手は前途多難だ。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!不死身の刑事が、死者の残した未練と謎を解き明かす
殺人課の特務班に所属する『カロン』こと『朧川六文』刑事。たった三人しかいない未解決事件専門の部署で働く彼は、『不死身の肉体』と『死者と対話できる』チカラを持っていた。死神と契約して死の淵から現世へと蘇ったカロンは、迷宮入りしたはずのプロボクサー殺人事件を追う――。
『殺されても死なない刑事』や『死者の声を聞いて未解決事件に挑む』という題材の時点で、とても斬新かつワクワク感がありました。
実際に読んでいくとハードボイルドな雰囲気の中で謎めいた事件の真相を追い、更には亡者達との激しいバトル要素があるのも魅力的だと思いました。『不死身×刑事』『謎解き×バトル』といった感じで作品の柱や魅力が複数あ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!境界を征く者。その名は⋯⋯
本作は筆者の永遠のテーマである、生者と死者の関係を、これでもかと渾身の筆致で描ききった大作である。
主人公朧川六文は、とある事情から死神と契約を結び無念に死んだ犯罪被害者の迷える魂を、再び輪廻の輪に戻す仕事を請け負う事になる。
こう書くとファンタジックな内容に想えるが、本編はどこまでも五速節溢れるハードボイルド作品となっている。
筆者の代表作の1つ、いきぞこないゾンデイーを読まれた読者なら、すんなりと作品世界に没頭出来るのではないだろうか。
本作の主人公六文は、時折自嘲気味に笑う。
死ぬべき時に死ねなかった男の悲哀に満ちた背中を癒す女は、果たしてこの先現れるだろうか。
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