概要
これは誰もが傷を残す物語
青い空の下、広がる灰色の街。
そこで出会うは碧眼を赤のセルフレームで飾った
知らないはずの少女と、記憶にないコックピット。
与えられた力を理解する間もなく戦いの幕は上がり、
だが彼は不敵に笑い、隻眼の蒼き王の力を振るう。
どうしようもなく滅びてしまった世界で、残骸を紡ぎ合わせ、
積み重ねた先で辿り着くのは、平穏な日常か? それとも――
どこまでも残酷で、けれど優しく。
どこか懐かしく、だけれど誰も知らない。
ハイスピードセカイ系ロボット物がここにある。
ノベルアッププラスにてリメイク版を投稿中
ちょっと、待って。そのギフト本当に大丈夫? 僕相手に送ってもいいの?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!セカイ系を継承したロボットSF
重厚な世界観や設定資料集かと見紛うばかりの専門用語の羅列――そのような退屈な説明文は、継王蒼機ザナクトには存在しない。
描かれているのは、どこまでも青い空を穿つ、蒼の巨躯。
兵器が人型である理由を突き詰めた結果、セカイ系のストーリーテリングこそが最適解であると、筆者は思い至ったという。
必要最小限度さえ削ぎ落としてしまったかのような文章からは、極限まで研ぎ澄まされた鋭利な感性が迸っている。
物語構造もシンプル。セカイを再起動できる謎の銀髪美少女を軸に、主人公と敵が記憶や過去を巡って戦い、概念的資源を奪い合う。
彼らの交錯した人間関係が、三角関係の恋愛模様がロボットの仕様にまで接続さ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ただ、無常にすり減って行くセカイで二人は出逢った
「継王蒼機ザナクト」という物語は、事あるごとに"リソース"という概念を持ち出してストーリーを駆動させて行く。
それはエネルギー残量を厳密に管理しなければならない戦闘レベルでもそうだし、
そもそも登場人物たちが身を置く闘いの図式からしてそうだ。
既にあるリソースを消費する形で、物語は進んで行く。
あるいは元々在ったものさえ擦り減らして、後退して行く。
"既に滅んだセカイ"同士が喰らい合わなければならないという、壮大なゼロサム形式のバトルロワイヤル。もう新しい何かを造り出そうとする働きを止めてしまったセカイで、それでも少年と少女は出逢った。
出逢って同じ時を過ごし、共に肩を並べて戦った―――…続きを読む