第3話「殲滅機関日本支部」
相模原市。
人口七十万人を数え、神奈川県三大都市の一つとも呼ばれるこの都市は、いくつもの米軍基地を抱える「基地の町」でもある。
たとえばJR横浜線沿いに細長く伸びている「アメリカ陸軍・相模総合補給廠」。実に二百万平方メートルに及ぶ敷地を持ち、小銃や食料をはじめとする多量の補給物資を備蓄している。
電車内から基地を見たものは首をかしげることが多い。
フェンス越しに見える基地には、確かに戦車が入りそうな巨大倉庫が何十と並んではいるが、倉庫と倉庫の間には何十メートルも隙間があるのだ。しかも三分の一ほどが、建物すらない草ぼうぼうの空き地だ。
土地を無駄に使っているのではないか。
交通の妨げにならないよう、一部だけでも日本に土地を返還するべきだ。
そう主張する者も多い。
だが、返還が実現することはあるまい。
相模原補給廠の地下いっぱいに、人類の砦・殲滅機関日本支部が築かれているのだから。
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