18 VS.社会常識
18 VS.
そうと解れば、貨幣の会計は討魔者の活動と、
こういう制度がある以上、‘ 武族 ’の‘
だが、‘ 武族 ’が未来の兵を育てるための制度と考えるなら、その規模が国という‘ 征服統治組織 ’すべてに広げられたにすぎないだろう。
その証拠に養護施設という場所は、問題が多いらしい。
討魔者としての情報収集と貨幣集めは、‘ 擬身 ’で行い、‘
そのための準備としては、何があるだろうか。
‘
怪しそうならば、後で《幽体化》して確かめ‘ 魔 ’を祓う。
だが、それでは時間がかかりすぎるから、‘ 擬似生命 ’に、‘ 命気 ’を扱えるシステムを組み込む必要があるだろう。
実体の在る‘ 擬身 ’ならばともかく、霊体の‘ 擬似生命 ’に‘ 命気 ’を扱えるシステムを組み込むのは無理なので、実体を持つ特殊な探知用の‘ 擬似生命 ’が必要だ。
これは、時間がかかるだろうから、とりあえずは‘ 擬身 ’に探知システムを組み込む方向で考えよう。
‘ 擬身 ’は、‘ 擬似生命 ’と違い、操ってやらなければ動かない。
こちらの世界のドローンとVRを組み合わせたような物だ。
‘ 精霊術 ’は、操る討魔者と感覚が繋がっていれば何処であっても使えるからいいが、‘ 命気 ’を使うスキルは、本来なら
だから、‘ 神霊術 ’の《付与》スキルで‘ 命気 ’を蓄積できるシステムを持った‘ 擬身 ’にも扱えるようにする必要があり。
‘ 擬似生命 ’の場合は、擬似的とはいえ、
難しいのは、当然ながら、今まで創った事のない後者だ。
‘ 命気 ’を蓄積できるシステムは、武器などにスキルを《付与》することもあるので、一般的ではないにしてもあちらでは既成技術だったので習得している。
《付与》するスキルは《霊視眼》に《命気結界》といった討魔者であれば誰でも持つスキルと、あとは《読心》と《浮身》程度でいいだろう。
‘ 擬身 ’を動かすのは《念動》の精霊術だから、身体能力を増やす能力は意味がないし、精神能力は本体にかければいい。
情報収集や‘
貨幣集めのほうは、討魔者として行うのなら、‘
貨幣集めの障害は、‘ 征服統治組織 ’の制度に組み込まれていない討魔者が、‘ 征服統治組織 ’の敵と認識されるということだ。
しかし、これは戸籍や個人番号といったものがないから難しいのであって、それを創ってしまえば問題はなくなる。
それは、所詮は人によって創られたシステムにすぎない。
どうやって作るかを‘ 擬似生命 ’で調べ、正規につくられたものと同じように作ってやればいい。
ただ、それには時間がかかるため、犯罪者達の情報を得る事もかねて、‘ 不法就労 ’と呼ばれる‘ 犯罪組織が外国人などを使う仕事に就いて貨幣を得る行為 ’を行う‘ 擬身 ’を作るとしよう。
便宜上、‘ 擬身 ’の個別化が必要になるから、役割で名称をつけるか。
‘ 不法就労 ’をさせる‘ 擬身 ’は、東洋系で肉体労働者向きのがっしりとした体型の外見年齢が四十代の男性というのが適当だろう。
あまり若すぎると不信に思う人間が多い。
チョウとでも名乗らせよう。
訳ありの不法移民として行動させれば、いいだろう。
それなら、先ずはこの島域で最もそういった人間の多い東京で活動させるか。
トラブルが起こったら外見と名を変えればいい。
もっとも、ある程度のトラブルなら‘
図書館などの身分証明がなくても誰でも使える施設や街中での情報収集をする‘ 擬身 ’の外見は、男女と年齢で幾つかが必要だろう。
名はマコトとでもしておいて、時間や場所で姿を変えるか。
‘ 擬身 ’なら《思考活性》を使えば、20時間もあれば一体は造れる。
《思考活性》と《思考分割》で同時に操れる‘ 擬身 ’は多くても60。
複数のスキルを同時に制御するなら、50というところか
‘ 命気 ’の量は、魂ではなく身体に依存するから、その数を造るとなると、この幼子の‘ 命気 ’の量では数百日くらいはかかるだろう。
衰えたとはいえ、転生前の身体なら50日もかからずにできるから、この身体の強化も必要か。
並行して肉体強化の作業を行うなら、そちらに割く時間も必要になる。
さっそく、‘ 擬身 ’の作成と改造を始めよう。
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