概要
それは、彼女が生まれつきの吸血種の悪魔憑きであること。
彼女に定期的に血を供給する悪魔祓いの少女マリアは、ロアの女中として彼女の傍に寄り添っていた。
そんなふたりの間には、ある約束があって……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!悪魔で百合な架空ヨーロッパ紀行譚
つい先日読了させていただきました。
結論から言うととても好きな小説でした。
他の方がもうレビューで自分の言いたいことはだいたいおっしゃってくれているのですが。
世界の描写がとても魅力的です。豊かな黄金色のフィルター越しに見たような"ボルドウ領"、現代の街並みとレンガ作りとのコントラストが映える"ロンディヌス"。そして蠢く怪異。
水平線の向こう、どこかにあるかも、あって欲しいなと思う舞台が設えてあるのでとても楽しい!
また伝奇ものとして読むと、王道で気持ちの良い展開に頷くこと請け合いです。「これこれ、こういうのが読みたかったんだよ」。
百合要素・キャラクター要素はポップ調に寄せてあり好み…続きを読む - ★★★ Excellent!!!王道のエンターテイメント、最高のバトルファンタジー百合
悪魔憑きの女領主・ロアと、悪魔祓いの女中・マリアのバトルファンタジー百合。
百合ジャンルでファンタジーやバトルというのはまだまだ少ない印象ですので、作品があることだけでもありがたい。しかも、この小説の面白さは本物。
ストーリーは王道のエンターテイメントという印象。
読んでいて引っかかる部分もなく、ストーリーも素直で安心して読んで楽しめます。
深い因果で結ばれながらも、どこか距離のある関係にもどかしくなりつつ。
領主と女中、使い魔(悪魔憑き)とその主(悪魔祓い)という逆転した上下関係が同時に存在しているのも面白いところです。
わたしはそれらをまったりと楽しみながら、キャラクターの可愛さや愉快…続きを読む - ★★★ Excellent!!!男装麗人な女領主と、毒舌気味の女中。二人が共に生きるための物語。
タイトルとキャッチコピーの通りのお話です。悪魔憑きの女領主と悪魔祓いの女中さんが、時に共闘し時に心通わせ時にすれ違う百合。
ああもうこの時点で分かりますね、尊い。
お話の緩急がうまく、ほのぼの寄りだった二人の関係や巷を賑わせる「吸血鬼事件」が終盤で大きく動き出します。中盤まででロア様とマリアちゃんのやり取りに心奪われていると終盤の展開で感情が動かされすぎて為すすべなく死にます。すっごく尊い。
意外とヘタレなご主人様や色々やきもきすることの多いメイドさん、百合厨はこういうの大好きです(主語が大きい)
また世界観やサブキャラクターも魅力的で、現代寄りな居心地のいい西洋描写は個人的にとても好き…続きを読む