エピローグ

エピローグ

早朝の東京に聞こえる音を知っているかい?まだ夜が明けぬ前、目の前に広がる町並みには街頭の明かりしかなく、人影すらないのに、遠くから、とても小さい音なのだけど、途切れない断続的な低音が鳴り続けているんだ。


何の音だろうって考えても良くわからないのだけど、たぶん、風の音や、遠くを走る車の音や、誰かの話し声が、この時間の空気を伝って僕の耳まで届くんだろう。


『昔の中国の人たちは、この星の並びを水をすくう時に使うひしゃくに見立てたんです。だからこの星たちに、北のひしゃくの七つの星と書いて、北斗七星という名前をつけました』


僕の手には2つのキーホルダーがある。描かれた北斗七星が表象しているものは、僕にとって大切な何かを今も心の中に生み出している。記憶や想いがいつしか消えてしまうのだとしても、たとえもう二度と会えないことが、運命によって定められているのだとしても、いつかまためぐり合うと信じて手を伸ばし続ける。僕はそうして生きていこうとあの時、誓った。

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アメのソラ 星崎ゆうき @syuichiao

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