★★★ Excellent!!!
我が子と向き合うこと。それは未成熟な自分自身と向き合うこと。 @v4lmet
恥ずかしながら全てのお話を涙を流しながら拝読しました。
日常生活において、涙を好きに垂れ流せる時間は少ないので、それゆえに日数をかけて読ませて頂きました。
この『空色エプロンたまご焼き』は、子を持つ親にしか分からない、それもちゃんと我が子と向き合わないと気付かない、日々の苦悩や些細な喜びの一つ一つを丁寧に描かれている作品です。
こちらの作品は筆者様のシリーズ物であり、正直に申し上げると、私はこの風花ちゃんとパパの物語があまり好みではありませんでした。
それが何故かと言うと、これまでのお話は、ハンディキャップを背負った親子と、その健気に生きていく姿がどうしても目立ってしまい、読んでいて胸が痛むからです。
それは偏見から来る感情なのだと理解はしているのですが、胸を打つ数々の作品を執筆されている筆者様において、ただ私好みではない背景を用いた作品というだけなのだと思います。
しかし今回のお話の中心はそこではなく、見染めた当時のように仕事をしていて輝いていた妻を応援するために、期間限定ではあるものの主夫となることを決めた主人公と、繊細で内気だけれど当たり前のように子どもらしく無邪気な娘との毎日の出来事を、ただ感じるままに綴っただけのような物語です。
それは、同じシリーズのようで別の作品のように感じました。
親は子に成長させられる。
私たち大人を真の意味で大人するために、子…
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