煙草

作者 新樫 樹

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★★★ Excellent!!!

「煙草」というキーワードから連想するものは、時代によって異なってくると思います。

禁煙や分煙など喫煙者の肩身が狭い今では、メディアで煙草を吸うシーンも少なくなってきました。

本作品は、喫煙者が今ほど肩身の狭い思いをしていないちょっと前の時代だと思われ、読んでいてどこか懐かしい雰囲気を感じました。

そして「煙草」がキーワードとなり、優しい輪っかが物語を彩ります。

懐かしさと優しさの魔法の煙に包まれた素敵な作品です♪

★★★ Excellent!!!

子どもには、その人が持つ根本的な優しさが伝わる。
あれほど泣いていた女の子の心を掴んだタカハシさん。
けれど、彼が抱えるものは切なさでいっぱいだっただろう。
再びバス停で逢えることを望む気持ちの直ぐ隣には、そうならないだろう現実があることを少女は理解できている。
喉の奥が熱くなる、きゅっと切ない物語でした。

★★★ Excellent!!!

泣き虫の女の子に、涙を忘れさせてくれたのは
いつものバス停で出会った、背高のっぽのおじさんでした。

煙草の煙でつくってくれる 輪っか と
スーツの ふっくり厚い硬い生地の感触。

おじさんの、あたたかな笑顔は
幼いユミの心を、そっと守ってくれました。

みずみずしく細やかな描写に、子どもの頃の感覚が痛いほどによみがえります。

さりげない優しさと時の流れが、切なく胸にしみる物語です。