特別で大切なもの

泣き虫の女の子に、涙を忘れさせてくれたのは
いつものバス停で出会った、背高のっぽのおじさんでした。

煙草の煙でつくってくれる 輪っか と
スーツの ふっくり厚い硬い生地の感触。

おじさんの、あたたかな笑顔は
幼いユミの心を、そっと守ってくれました。

みずみずしく細やかな描写に、子どもの頃の感覚が痛いほどによみがえります。

さりげない優しさと時の流れが、切なく胸にしみる物語です。

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