ぱのすけ

この物語が面白い点。 それはモキュメンタリーではなく、モキュメンタリーを作る側の物語であることです。 題材としての面白さもさることながら、濃い人物描写と適切な背景提示がなされてい…続きを読む

私は、認知症の方やせん妄状態の方と触れ合う機会があります。 だからこそ、そうだったらやり切れない。 でも知ったところでどうともしてあげられない。 そんなジレンマを強く感じる話でし…続きを読む

杉沢村、犬鳴村など怪談好きには需要の高い「怪村」ジャンル。 この作品も消えた集落に纏わる、不穏な怪異がメインとなるお話です。 私が読んだ時は冒頭2話分でしたが、近づいて来る怪異の…続きを読む

舞台は危険と隣り合わせの冬山登山。 安全だったはずの登山が崩れていく様、ホワイトアウトしていく情景が臨場感たっぷりに描かれています。 大学生パーティは冬山で何と出会ったのか。 …続きを読む

時代は昭和初期。 神田古書街のありきたりな古書店で出会ったのは怪異を孕んだ本だった。 主人公にひたひたと迫る怪異と、本に描かれた鬼気迫る物語にぐいぐい引き込まれて、思わず1章全て…続きを読む

一方的な愛情は受け手にとっては恐怖となる。 その愛情の底に漂う不気味さ、不穏さが読後も胸の底にわだかまる、濃密な短編ホラーです。 このお話は祖父と孫娘ですが、父親と娘でも十二分に…続きを読む

「本当の自分に会えるトンネル」が舞台になる本作。 表題の通り、二転三転して最後も「え？！」となる見事な結末です。 構成の巧みさもすごいのですが、私が惹かれたのは子供特有の真っ直…続きを読む

ある私鉄に伝わる都市伝説のお話し。 緊迫感あふれる主人公の描写に、読んでいる私自身もいつしか一緒に息を潜めてしまっていました。 都市伝説に遭遇してしまった主人公に訪れる結末はか…続きを読む

祖母に連れられて行った御屋敷での幼い記憶が繊細に語られる本作。 穏やかな時間の満ちていた御屋敷の様子が情緒豊かに語られて、怪談でありながらもどこかノスタルジックな雰囲気のある作品…続きを読む

密林と謎の巨大建築というロマンしか溢れない物語設定にまずハートを鷲掴みにされました。 一見、ファンタジーでも始まるのかという設定ではありますが、物語自体はきっちりとホラーです。 …続きを読む

このお話、作者様は怖くないかもなんて謙遜されておりますが、とんでもないことでございます！ これは経験者ならば分かる恐怖の瞬間がありありと描かれております。 何の経験者かと言うと…続きを読む

前回の「あまおとこ」に引き続き、鏡堂刑事シリーズ第2弾です。 今回からは、前作でバディとなった天宮刑事も本格参戦で、息の合ったコンビ振りが楽しめます。 強面の鏡堂刑事に臆するど…続きを読む

日々を暮らす中で見過ごしている些細な出来事も、気付いてしまうと積み上がって怪異に至る。 どの話も日常にありふれた一幕から始まるのに、後味はしっかりゾクリとさせられる。 そんなホラ…続きを読む

今作はタイトルの「あまおとこ」という柔らかい印象とは違い、中身は骨太なホラーミステリーとなっています。 特に警察部分の描写がしっかりとしていて、途中までは警察小説張りの手堅い話が…続きを読む

　このお話の主人公はオカメインコさん。物語はオカメさんの目線で描かれます。 　作者様がオカメさん激LOVEなだけあって、まぁー鳥好きのツボをこれでもか、これでもかと容赦なく押しまく…続きを読む

71話まで読んでのレビューです。 魔法を使えないために蔑ろにされている王女リーゼロッテの結婚相手は、国内随一の魔力を誇る辺境伯だった。 しかし辺境伯は仮面を外さない上に人嫌いで有…続きを読む

最終話まで読んでのレビューです。 この話は奈良時代を舞台に、主人公の少女・古志加の１０年以上に渡る一途な恋を描いたお話です。 奈良時代、という舞台に尻込みするかもですが、非常に…続きを読む

確かに初心者さま向けの分かりにくいこと、見落としがちなことが書かれている非常に有益なエッセイです。 ですが。かなり面白い。 思わず笑ってしまいます。外で読んでいたら私は間違いなく…続きを読む

全話読んでのレビューです。 読み終えた感想は一言。「マジで怖い」 どの話も怖い。両腕総寒イボ。 この物語の秀逸な点はまず書き方にあると思います。 実話怪談の書き方といいましょう…続きを読む

全話読み終えてのレビューです。 この話は全てを失った青年剣士アスターと、命すら自分の物ではない奴隷少女メルが出会い、それぞれの喪失を受け止めて明日を向いて生きて行く。 その道筋を…続きを読む

最新話まで読んでのレビューです。 緻密に練り上げられた「秋津洲」を舞台に進むのは、龍神を父に持ち強大な力を宿した斗和田の4人兄弟の物語。 人族主体の社会にあって、神の力を受け…続きを読む

海に流される灯籠達。幻想的な祭りの場面から始まるこの話。 波間に消えゆく灯籠を見送った後、友人の柳瀬は言います。 「皆、蝋燭ばかり流すね」 この一言がきっかけとなり、真夏の灯籠流し…続きを読む

このお話は非常に練り込まれたお話です。 読み終えてからもう一度読んでみると、作者様がどれだけ丹念に練り込んで、丁寧に真実を潜ませたかが、よく分かります。その力量たるや脱帽するしか…続きを読む

完結まで読んでの感想です。 全編を通して描かれるのは、守ると定めた少女・ミズカのために困難に立ち向かって行く主人公・イスカの成長。 人々の安寧のために歪な生き方を強いられるミズ…続きを読む

前々から題名を見て心引かれていたこの作品。 きっかけをいただきまして、拝読し始めたのですが。 いや、コレ……笑っちゃいます！ PTAを大奥に見立てる次点で、天才の発想。しかも文体…続きを読む

子供の頃に遊んだゲームブック。大人になってからまたこの単語を目にするなんて。 懐かしさから思わず読み始めた今作ですが、面白いのは発想だけではなかったです。 レビューを書いている…続きを読む

このキャッチコピーを見て、読まずにいられるはずがない！ 気になって読もうかどうか迷っている、そこのあなた。ためらわずに読みましょう！ 出だしは奇抜でも、お話はしっかりと綺麗にま…続きを読む

ダ―クファンタジ―、と言えばそうかもしれない。 でもそんな一言で括ってしまうのはもったいない！！ 近未来的な世界で繰り広げられるのは、侵略者アンヴァラスとの死闘。 戦闘シ―ンが…続きを読む

父が死に、伯爵家の三男坊レオンシュタインに言い渡されたのは修行の旅1年間。 同行は仮面のメイドただ一人。 事実上の追放に近い状態で放り出された2人の旅が今の所のメインになります。…続きを読む

第1話を読んだ時に感じたのは、強烈な感動でした！ 本好きな方なら絶対に分かってくださるはずのあの、ビビッと来る気持ち。 「これ、大好きなやつ！！」という興奮を強く感じた作品です。…続きを読む

この話は、呪いと共に生まれた鬼族の姫君とふろたきの少女との友情の話です。 一族最強の力を持って生まれながらも、古の呪いを受けて生まれたキキョウ姫。呪いを解くかもしれないうたを知…続きを読む

春になり芽吹く桜に山より来る稲の神。 山の神が稲の神となって里に降りて来て、収穫を迎えて再び山の神となる。 日本に元々根付いている信仰の形を、情緒的な文章で記された美しいお話で…続きを読む

一番にこのことをお伝えしたい！　想像以上にローマ帝国です。 街中の様子、人々の生活様式、微に入り細に入り描かれる世界から浮かび上がるのは正しくローマ帝国。しっかりとした文体で書か…続きを読む