高校生じゃなくなった主人公から語られる、とある日の恐怖体験の話。語り口も静かで読みやすく、普段どのような日常を過ごしていたのか、そこからどのように一変したのかが分かりやすかったです。恐怖の強弱も絶妙で、ひたひたと後ろから着いてこられるような怖さがあります。冒頭付近の「今は大丈夫」に戻るはずなのに、オチのために拭いきれない不気味さがあって最高です。伏せ名も素敵ですね。
独特な文体が魅力的な著者の短編恐怖譚。登場人物の語りが真に迫っていますが、何より恐ろしいのが最後のシーン。アレは何だったのか。どちらだったのか。読者を混乱と恐怖に誘います。情報の欠落は、ともすれば説明不足などの不満感に繋がることもあるかもしれませんが、本作の敢えての欠落は、ホラーらしい怖気であり、大いなる魅力です。暑い時期、背筋の凍る体験をしてみませんか?ただし尾を引くこの体験、覚悟してお読みください…。
ある私鉄に伝わる都市伝説のお話し。緊迫感あふれる主人公の描写に、読んでいる私自身もいつしか一緒に息を潜めてしまっていました。都市伝説に遭遇してしまった主人公に訪れる結末はかなり必見です。この緊迫感と結末を是非、体験してみて欲しいです!
読み終わった途端背筋がゾッと縮む思いです。暑い時期にピッタリの怪談。こわっ
女子の「ソレ」も、見方を変えるとホラーとなり得る。人種であれ個であれ、国であれ組織であれ、閉鎖的な空間に歪みは生じる。敵対心は時に身を守るが、更なる敵意を生むかもしれない。剝きだされたそのキバは、どう納めるべきか。それは出したモノが責を取るしかない。