人類の宿敵、異形の侵略者「アンヴァラス」。
対するは人類の希望、異能の解放者「リベレーター」。
この物語はリベレーターの一人、バレル・プランダーという野郎の活劇を描いた作品なのですが、まずキャラが濃い。バレルからして自堕落なダークヒーローを絵に描いたような男、相棒のシャロは見た目美少女のくせしてブレーキの効かない乱射娘、巻き込まれた雫ちゃんはド天然で可哀想可愛いアホの子……どいつもこいつもちょっと突っ込みが追い付かないイカれた野郎どもばかりです。
そのキャラクター達が織り成すハリウッド映画のように軽妙な掛け合い、手に汗握る空中戦、空を覆うアンヴァラスとの激闘、謎のアンドロイド……読者を楽しませる要素をこれでもかと詰め込んだ物語、是非ともお手に取ってご覧ください。
外敵によって追い詰められた人類。
対抗する為に生み出された科学技術や兵器、そして新人類と言っても良い存在たち。
是非読んで体感して頂きたいので少し暈したレビューになりますが、
熱い展開の台詞まわし、バトル描写の臨場感、筆者様のこだわりが随所に見えます。
視点が頻繁に入れ替わるので三人称視点に慣れている方は初めは混乱するかもしれません。
ですが、アスタリスクで「ここから視点が変わる」と分かり易く示されているので、すぐに慣れるはずです。
そして慣れてしまえばそれは臨場感に変ります。
この物語のカッコよさが刺さってしまったら突き刺さり過ぎて抜けなくなることは間違いないと思います。
私個人としては第四章の「4 Ciel Erase.」が作中で特にお気に入りなので、是非熱いロマンを感じてもらいたいなー、なんて思ってしまいます。
ダ―クファンタジ―、と言えばそうかもしれない。
でもそんな一言で括ってしまうのはもったいない!!
近未来的な世界で繰り広げられるのは、侵略者アンヴァラスとの死闘。
戦闘シ―ンが素晴らしいのは言うまでもなく、一番圧巻なのは何と言っても空中戦。
文章からほとばしる死闘は、手に汗握る緊張感で、読んでいる私の方までジリジリして来ます。
これが無料で読めるとか贅沢過ぎやしませんか、いや本当に。
緊迫感びしびしの中でやり取りされるバレルとシャロの軽口もハリウッド映画を見ているようで、面白いです。
ク―ルさと、重厚な世界観がマッチした今作。病みつきになること請け合いです。
死と隣り合わせの戦場が脳裏に浮かぶような迫力ある戦闘描写、個性ある登場人物が織り成すユーモラスな掛け合いという緩急のある展開が楽しい『近未来的SF要素×混沌渦巻くディストピアファンタジー』に、平和な現代日本では決して味わうことのない非日常的な没入体験を得られます!!
独特かつ豊富な語彙のレパートリーが表現したいことを効率良く伝えられており、途中で読み手を退屈させることのない感情移入しやすい臨場感を巧みに演出できていると素直に感服致しました……!
同じ物書きの端くれとして、文章構成も非常に参考になると感じます。ただし、所々にルビの振り間違え(?)のようなものが散見されますので、そこは要注意ですね。少なくとも、一見の価値あり、より多くの評価に値する作品だと個人的には思います。今後の展開にも注目してまいります。
およそ300年前に突如として出現し、全人類の半数を死に追いやったという異形の怪物「アンヴァラス」。
今もなお、生態系の頂点として君臨しているそれに立ち向かう者たちがいた。
その名はリベレーター。特殊な手術を受け、異形の怪物に立ち向かう異能を手に入れた者。
この物語は国際機関の一般兵がリベレーターの二人と出会うことで始まる。
他の方も書かれている通り、文章と構成が良い作品です。
バレルとシャロ、二人のリベレーターの他に一般兵の雫という緩衝材を入れることで、アクションものにありがちな一本調子で読者が疲れるということもないかと思います。
”不幸な事故”から始まり、徐々に明らかになってゆく世界の仕組み。
スモーキーな世界で繰り広げられるSF異能アクションに浸りたい方は、読み始めてみて欲しい。
Wide Execution Force、通称WEフォースに所属する雨衣咲雫は、初任務中に「アンヴァラス」と呼ばれる異形の怪物と遭遇する。そんなとき、長身の男・バレルと小柄な女・シャーロットと出会い、様々な事に巻き込まれていく。
キャラ同士の掛け合いや言葉選びが秀逸。空中戦やロボット兵器、サムライなど盛り沢山のストーリーでした。
複数視点で描かれているため、雫サイドだけでなく、敵の様子も詳細にわかるのが特徴。アンヴァラスとの戦闘シーンでは緊張感が伝わり、スリルも満点でした。特に、空賊とのバトルは見物です。
個性豊かな登場人物たちのコミカルなセリフ回しにも、思わずクスリとさせられます。さらに、序盤では頼りにならない雫でしたが、バレルたちと行動を共にしながら成長していく姿も見所。
あらゆるところに謎が散りばめられていて、最後まで楽しく読むことができます。面白かったです!